負け犬の凱歌(ドレック・トライアンファルソング)
〜ただ一度の勝利の為に〜
終楽章




<情報屋>は思う。

なぜこの男は人の為に、それも知り合って間もない相手にここまでできるのだろうか?

何処までも真っ直ぐな信頼と好意。

それは騙し騙され、謀り謀られ、と裏家業を歩んできた彼には縁の遠いものだった。

それが今、<情報屋>に寄せられている。

宝玉の情報を得るために近づいた、言ってしまえば彼を騙すつもりだった自分に。

そして、その思いにどうしようもなく揺さぶられる自分がいた。

「仲間の息子の命がかかってるんだ。当然だろ?」

何の打算もない彼の物言いに<情報屋>はなんと返事を返してよいのかわからなくなる。

どうにも居心地が悪った。

そして、どうしようもなく身体の芯が熱くなる。

『ったく、らしくねぇなあ。こんなはずじゃなかったんですがねぇ……』

情報を得たら後はさようなら、のつもりだった。

それが……。

「おう、俺にできることだったら、いくらでも手伝うさ」

どうしても彼とのかかわりを断ち切れなかった。

今、<情報屋>は一世一代の大勝負の真っ只中にいる。

<情報屋>のただ一度の勝利を掴む為に、命を張った。

だが、不思議と不安はない。

「……勝つさ。勝ってやるさ。まかせとけ」

彼の探り当てた情報より、何の根拠もないその台詞が確かさを感じさせる。

『……ほんと、まいったねぇ』

どうやら自分はこの男に惚れちまったようである。




10万ムーナの大博打




物語もいよいよ佳境です!

まずはカイの物語からラストスパート!



GM  果たして表題は真実となるのでしょうか!?まずは『負け犬の凱歌』カイパート完結編〜!!

カイ  やっぱり、舞台裏っていうのは表が終わってから明らかになるものなんですね(笑)

GM  さて、君の現状を確認してみましょうか?……といっても一つだけなんだけどね〜。君は現在、控え室にて待機しているわけですが。

カイ  なんか知らないけど、ジュダと戦うことになってしまった・・・そうだ、ジュダについて何か知っててもいいですか?

GM  君ってこの街の育ちで、しかも戦士でしょ?知ってていいよ。イリスの街に住む人間で武器を扱う者なら必ず知っている相手が三人いる。

カイ  「よりにもよって狂犬かよ・・・」



1人は剣聖アレイオス、この街の領主。

トロール殺しをはじめ、幾多の偉業を成し遂げたザノン王国の英雄だ。

1人は鋼壁のガッシュ、ジェスタの神官。

その強靭な肉体でもって常に民衆の盾となるドワーフ。

そして最後の1人が……狂獣、共食い、そういった通り名を持つタマットの傭兵である。



GM  ジェイ「やぁ、準備はできたかね?」

カイ  「ああ、いつだって構わないぞ」

GM  ジェイ「そう緊張する必要はないさ。何せ相手はあの狂獣だ!負けても恥じゃない!しかし……身の安全を望むなら棄権することを進めるぜ?」

カイ  「棄権?そんな選択肢はないね。命は惜しいのは確かだ。だが、今ここで俺がいかなきゃ確実に一人の命がなくなる。そんなのを黙ってみてられないんでね」

GM  ジェイ「おいおい、あんな屑のために命を張るなんて馬鹿げているとは思わないのか?」大げさに首を振りながら

カイ  「あいつが屑かどうかを決めるのはお前じゃない。・・・俺だ」

GM  ジェイ「……ふむ。君はあの男の正体を知らないのだろう?おしえてやろうか?いまなら情報料はサービスだ」

カイ  「あいつがあんたと知り合いだってことから大体の想像はつく。だからいらないよ……それに、あいつがどんなやつだろうと、俺は仲間だと思ってるからな」

GM  ジェイ「そう言わずに聞きたまえ。あの男は情報屋だ。人を物をこそこそ嗅ぎ回ってはそれを売る、卑しい男だ。……君のことも誰かに売っていたのかもなぁ?」

カイ  「それがどうした?言っただろ、俺にはあいつがどんなやつだろうと関係ないって」

GM  ジェイ「やれやれ、救いがたい男だな君は。……できれば不戦勝といきたかったのだが、残念だよ。行きたまえ」楽しげに笑っている。そういってジェイは扉を開く。扉の先には相手が待っているわけです。

カイ  「ふん、ほえ面かかせてやる。期待してな」戦場に赴こう。装備は万全だ。

GM  金属鎧で全身を覆った巨漢の男が目の前に立っている。獲物は両手剣だ。ずしり、と彼は一歩踏み出す。

カイ  「・・・あんたがジュダか。まさかイリスの三強とこんな形でやりあうことになるとはな」

GM  そして君達を上から見下ろす無数の視線。それは静かに舞台の開幕を待っているのだった。

カイ  メイスと盾を構えよう。うあー、ドキドキする(汗)

GM  狂獣「……」答えはなく、更に一歩ズシリ、と近寄ってくる。

カイ  ジュダにおかしなところはある?

GM  ジュダの様子?別におかしなところはないかな。黙って武器を構えているよ。無言の圧力がずずーんと、きてますぞ。

カイ  むう・・・不動ですな。待ち構えよう

GM  ジェイ「レディィィス&ジェントメェェェン!ついに舞台の幕が上がる瞬間がやってまいりました!さあ!皆様方の前に現れました二人の戦士を紹介しましょう!」

GM  狂獣「……」無言で剣を掲げる

GM  ジェイ「鋼鉄の鎧に身を包んだ凶暴な獣!我ら裏タマットの誇る最強の闘士ジュダ!そして……彼に挑むジェスタの戦士!カイ・サイトニン!」

カイ  「いざ・・・参る!」

GM  ジェイ「レディィィィィ!ゴゥッ!」彼は高らかに勝負の開始を告げる!戦闘開始だ!こちらの移動力は5だ。たぶん君が先行じゃないかな?

カイ  こっちの移動力も5ですよ

GM  では同時に行動だね。こちらの行動は距離をつめて斬り付ける!狂獣「ふんっ!」ずぅぅぅん……あれ?17!!

カイ  盾で受け!・・・それってファンブル?

GM  空振りしてるや(爆)技能が16あるから自動失敗なだけですな。剣が地面に食い込んだ。両手剣が石畳を叩き割ったぞ。

カイ  今がチャンスとみた。普通に攻撃ー!準備&攻撃……わははは、成功(笑)

GM  狂獣「……ふぅぅ」ゆっくりと呼吸をしながら、メイスを払い除ける。なんの!がっちりと受けたぞ

カイ  くう、もうちょっとでクリティカルだったのに←攻撃は7、彼は6でクリティカルなのである。

GM  ジェイ「……ほう?なかなかやる」少し離れた場所から眺めている。では次のターンだ。こっちは相変わらず攻撃。

カイ  次のターンも普通に攻撃。全力攻撃なんて怖くてできないしね

GM  狂獣「ふんっ!」普通に命中!

カイ  盾で止め!



一進一退の攻防が続きます!

どちらの守りも堅く有効打は決まりませんが……しかし!



カイ  今度はこっちからだ。準備、攻撃の順で……両方成功!また弾かれたか?

GM  コロコロ、14か……狂獣「……ごふっ」君のメイスが鎧に食い込む!受け失敗

カイ  おや、受け値は低いのかな?ではダメージだ。11点〜!いい出目だ・・・でもバーサークしそうで怖いなぁ。



実はバーサークはないんだよねー……しかし、それをカイのプレイヤーが知る術はありません。

なまじ狂獣の強さを知っている(前の話を読んでいる)彼は、ダイス一振りごとに大きなプレッシャーを感じている様子である。



GM  コロコロ、転倒はしていないっと。そろそろ観客が君の大健闘に「……あのジュダがまた外した」「喰らった!?」「そんなはずは……」ざわめき始める

カイ  「こっちは道楽でやってるんじゃないんだよお!」

GM  ジェイ「ちっ……何をしている!このバカ野郎!」舌打ちをしています

更に戦闘は続きます。

GM  狂獣「おおおおっ!」がつぅんと当てかけている

カイ  がっちりと止めました。「まだまだあ!……むう、やはり持久戦になるか」



優勢ではあるものの、カイには今一つ勢いがありません。

やはり敵を過大評価して守りに入っていることが枷となっているようです。

そろそろかな……?



GM  観客「ばかな!」「いつもならとっくに……」「信じられない」ざわざわ

GM  ドレック「ダンナー!びびることはねぇ!一気にけりをつけちまいな!」観客のざわめきをかき消すような大声で

GM  ジェイ「!?貴様、何を……!?」

GM  ドレック「そこに突っ立ってるのは名うての傭兵、狂獣ジュダなんかじゃねぇ!」

カイ  ・・・は?本物じゃない?

GM  観客「ざわざわざわ……」

GM  ドレック「そいつはジュダと連絡が取れなかった裏タマットが急遽準備した代役……張子の虎ですぜ!」

カイ  張子の虎?何か知ってるかな?

GM  ドレック「なにしろ、狂獣はとっくに死んでるんだからねぇ……」

カイ  ぐ、戦闘中だから目を離せないけど、声は上げようかな「そいつは本当か、ドレック!」

GM  ジェイ「……貴様、なぜそれを。……そうか。それで、今仕掛けてきたわけか。……くくく、やるじゃないか」

GM  ドレック「へへっ……情報屋の武器は、情報なんですぜ?マスター……ダンナっ!アンタならそんなでくの坊に負けるわけがねぇ!頼みますぜっ!」

カイ  「ありがとよ、ドレック!まかせとけ、絶対勝ってやる!」ジュダに変わった様子は?

GM  相変わらず、無言で立っている……が、言われてみると、目の前の鎧の男は怖くない。つーか、最初の印象に比べると弱い。



一挙に攻勢に出るカイ、戦況は大きく傾き始めます!



カイ  「すまんが、この勝負・・・いただくぞ!」



しかし、この勝負は博打である。

負けられない勝負をする時、博徒は悪魔に魂を売り渡すのである。



カイ  ……? 不吉な予感がするなぁ(びくびく)

GM  このターンの頭から……君に向かって魔法が飛ぶ!そりゃ!成功度2だ抵抗しろ〜!

GM ジェイ「……悪いが我々にも面子がある。悪く思うなよ」



んな簡単に勝たせるほど、このGMは甘くないのである(笑)

イカサマは大勝負にはつきものなのだ。



カイ  って、なにぃ!?魔法には弱いんだって!ずばーん、失敗度3でごわす。くそう、魔法は嫌いなんだよ



かけられた魔法は《恐慌》抵抗に失敗した相手は恐怖判定を強いられる。



GM  恐ろしい!オソロシイ!おそろしい!君は異様なまでの恐怖に襲われる……-3で意志力判定だ。知力+意志力ね。

カイ  がーん、意志力なんてとってないし・・・ぴーんち



ガープスの恐怖判定はけっこう厄介なものである。

軽いものでも数ターン行動不能になったりするのだから……。



GM  ジェイ「……」無言で君の方を見ている。ふっふっふ、さあ失敗度を申告してくれたまえ。

カイ  えいっ!8だ。よし、意志力判定に成功!わははは、これぞジェスタ様のお導きよ。

GM  なぬ!?まあ、いい。君は突如としてわきたった恐怖心を跳ね除けた!それと同時に、狂獣もどき?「ふんっ!」両手剣が当たりかけている

カイ  盾で止め!成功してる「っ!アブねーアブねー。やってくれるじゃないか」

GM  ジェイ「……ちっ」舌打ちをしています



どうやら甘かったのはGMの方だったようである(爆)

以後、再三にわたり妨害魔法が飛んだが……。



GM  コロコロ……うっ、距離の修正がきつい。発動失敗!朦朧とさせてやろうと思ったのになぁ。



とか……。



GM  成功度0!知力で抵抗しろ〜!知力は苦手だろ!

カイ  コロコロ、6!ふ、またもや成功(笑)

GM  ジェイ「……くそっ!またかっ!どういう精神構造をしてやがる」舌打ちしまくり(笑)

カイ  「俺に魔法なんで効かんぞ!」どういう精神構造って……いや、まったくだな(爆)



と、なったり……。



GM  また、失敗。そろそろ体力がやばいな……次からパワーストーンを使おうっと(悪魔)

カイ  待て、それはずるい(笑)

GM  次は何を唱えようかな〜?

カイ  ぐお、まだまだ魔法が飛んでくる予感(笑)



しかし、サイコロに阻まれて結局、成果を上げることはできないのでした。

やはり勝負を決するのは武器と武器のぶつかり合いのようです。

通常の攻撃では決着が付かないと判断した両者は互いに各種戦闘行動を駆使して戦います!



時には全力で攻撃し!



カイ  全力攻撃!フェイント&アターック!成功度は3でござる

GM  見切った(笑)

カイ  ・・・かきけされたか。ええい、まだ攻撃が残ってるもんね!

GM  受けた(笑)

カイ  なんだよー、さっきからその出目(笑)



ピンチは全力防御で凌ぎます!



GM  こっちはさっきのフェイントを信じて攻撃だ。ペナルティーは5、どうする?全力防御とか全力攻撃で反撃とかする?

カイ  危ない危ない。あ、今回は全力防御です!……成功〜!



相手の隙を狙って行動する!



GM  こっちはフェイントだ!

カイ  なるほど。じゃあ「全力の」フェイント&アタックをします。・・・できますよね?

GM  できるね。……そうか、こっちがフェイントしてる時って全力攻撃するチャンスなのか!くそう、通常攻撃すれば確実に当たってたのに!


互いの技量はほぼ互角!

やはり、なかなか決定打につながりません。

そんな時……。



カイ  そういえば腕輪なんてものがありましたね。あれって何かの役に立ちません?

GM  う、持っていたねぇ……使いたい、と思ったらその時には申告してくださいな。1秒集中すると、君の気合に反応して何かが起こる(笑)

カイ  むう・・・ここは使ってみるかな。よし、腕輪を使用します



実はこの魔法の腕輪、相当に強力なマジックアイテムだったりします。

ユトルの手に入れた魔剣……場合によってはあれ以上に強力な。



GM  では戦闘中、君は不意に自分の身につけている腕輪に目をとめた。最初見たときは気がつかなかったけど、文字が刻み込まれているのがわかる。刻まれている言葉は三つ「力」「技」「命」さあ、どれを選ぶ?

カイ  なんかすごい腕輪をひいたんじゃないだろうか(笑) 力で行きます。

GM  ついでにどのくらい気合を込めるか宣言してくれ。込め方はちょっとだけ(1)〜死ぬほど(5)までの5段階だ

カイ  疲労度の蓄積具合かな?2ほどこめます

GM  それだけでいいの〜?思い切り行こうよ、思い切り。

カイ  そんなこと言われると増やしたくなるじゃないですか(笑) じゃあ4こめます



カイはそのターンの敵の攻撃を凌ぎあっさり腕輪の魔力を開放させます。



GM  君は力を解放した!発動するか判定を!腕輪の技能値は15だ。

カイ  11で成功しました。

GM  では腕輪が君から体力をごそっと、8点ほど吸い上げて……

カイ  ・・・8点!?(爆)うおお・・・残り体力が半分をきって5点になった。



いや、普通8点も使ったらそんなに残らないんですけど(苦笑)



GM  代わりに君の体力が4点上昇する!体力が17まで上昇します……武器の準備がいらなくなったかな。必要体力を5点上回れば準備に必要な時間が1秒短縮されるから。それに加えて当然、与えるダメージも増えますな。

カイ  ふむ・・・ポテンシャルをあげる腕輪か。体力が1上がると追加ダメージも1あがるんですか?

GM  それどころの話ではない(笑)君の体力が上昇したものとして、ダメージを計算しなおすから……今の君は「3D+2」までダメージが上昇していますぞ。

カイ  うおお、むちゃくちゃすごい。



しかーし!どんなに凄い破壊力があっても当たらなければ意味がないのだよ!

その後もお互いにさいの目が良く、互いの攻撃を弾き合う。

そして、決着の時がついに訪れる!



カイ  むう、次のターンもあきらめずにフェイントアタックだ。

GM  あれ?こっちはフェイントじゃなく通常攻撃だよ?防御できないけどいいの?

カイ  受動防御の7があるし、防護点は6あるし、そっちの出目はいいし、さっさと終わらせたいし(笑) 全力攻撃でいきます!

GM  了解(笑)では……狂獣もどき「うおおおおおっ!」ざくっ!10点ダメージ!

カイ  「ぐ・・・まだまだぁ!」げふ、半分削られた・・・けど我慢強いから大丈夫なはず。フェイント〜、成功度8!攻撃は命中!

GM  ドレック「ダ、ダンナ〜!」顔を青くしてる。フェイントの効果は2点だけ来た〜!

カイ  なんでそんなに出目がいいの……。

GM  しかし、その2点が厳しいんだよな、両手剣使いには。……とうとう受け失敗〜!フェイントがなければ受けてたんだが……。

カイ  よし、ダメージをもらったかいがあった。ダメージは11点だ。すごいなー。

GM  それでも期待値以下か…人間じゃないな。

カイ  体力17ですからね(笑)

GM  ジェイ「くっ…まずいな……こうなったらこの魔法で……」モドキにはもう期待できそうもない、再び詠唱開始だ。でも……間に合うかな?



さらにチャンスは転がり、カイの頭上で動きを止める!



GM  ジェイ「……」汗をたらしながら詠唱を続ける。狂獣もどきは……やばいな。朦朧から回復しない。ふらふらしながら全力防御の姿勢をとっている。

カイ  ならば一気に終わらせてやる!全力攻撃で2回攻撃だ!

GM  ドレック「ダンナー!今がチャンスですぜっ!いっけー!」ちなみに狂獣もどきの武器は「両手剣」だったりするのだが……そんなことをされると「受け」の回数が足りないではないか(爆)

カイ  そっかー、今までも2回攻撃してればよかったのか(笑)

GM  ジェイ「……間に合えっ!」印を組んでいる。ガープスの戦闘は相手の装備をよく観察するところから始めましょう(笑)

カイ  ガープスの戦闘は奥が深いですねぇ。「これで・・・終わりだぁ!」両方とも命中ですね。

GM  喰らってます、喰らってまーす!

カイ  じゃあ、16点と16点・・・我ながらひどいダメージを出したもんだ。

GM  ……てことは合計22点も通ってるじゃないか〜!君のメイスがうなりを上げる!ごすぅっ!がすぅっ!と鎧を陥没させた!そして……ずぅぅぅん……君の対戦相手は動かなくなる。

カイ  って、冷静に考えたらやりすぎだろ、俺(汗)「やっちまった・・・のか?」

GM  会場はしん、と静まり返っている。

GM  ジェイ「……ちっ、間に合わなかったか」←舌打ちをして印をとく

カイ  「くそう、人の命を救うために人を殺したんじゃ・・・意味ないじゃないか」

GM  ドレック「よっしゃぁぁぁぁぁ!さっすがダンナ!」会場の端っこでガッツポーズ

GM  ジェイ「……このでくの坊を始末しておけ。ああ、くそっ!負けた負けた!」

カイ  ジェイのほうにむく「・・・約束だろ?あいつに金をやってくれ」

GM  ジェイ「ああ。もちろん払うさ……本物のジュダさえいれば……くそがっ!」そう言いながら指をぱちんと

GM  ドレック「やりましたねっ!ダンナっ!ほらっ!てめぇら手を離せ!」君の方にかけてくる

カイ  沈痛な表情でむかえよう「ああ、まかせとけって言ったろ?あとは・・・あいつを探せばいい」

GM  ドレック「……どうしたんです?ダンナ?んな暗い顔して?」不思議そうな表情

カイ  「ん?いや、ウィルくんのためとはいえ、人を一人殺してしまったっていうのはな……ともかく、あとは治療してくれるやつを探すだけだ。そのためにも、まずは俺の知り合いを探さないとな」自分の頬をバチンとたたく。

GM  ドレック「あれ?アッシ、言いませんでしたっけ?張子の虎だって」鎧の方を見ながら、にやりと笑ってる

GM  バニーガールのお姉さんがぎっしり入った袋、を持って来る。その背後では数人のタマット信者が鎧を解体していたりするのだが。

GM  ジェイ「くそがっ!くそがっ!くそがぁぁぁぁっ!」がらんどうの鎧をゲシゲシと蹴飛ばしている姿もある。

カイ  「は?・・・もしかして、中身は空で、魔法で動いていたのか?」

GM  ジェイ「……くっ、そこまで知ってやがったのか」

GM  ドレック「情報屋の武器は、情報なんですぜ?」片目をつぶる

GM  バニーガール「勝者に栄光あれ!」君にずっしり重い袋を手渡そうじゃないか

カイ  「そうか・・・ならよかった。この金はしっかりと使わせてもらうぞ。いくぞ、ドレック!」バニーさんから袋をもらって出ようとする。

GM  ドレック「へいっ!しっかし、敵のことまで心配するなんざ……いや、なんでもありやせん」言いかけた言葉を飲み込んで後に続こう。




消えた鏡




GM  帰り道の出来事である。ドレック「おや?」帰り道で袋の中を漁りながら……首をひねっている

カイ  「ん、どうした?」

GM  ドレック「ない……『鏡』が、ない……?

カイ  「鏡って最初にかけたやつだよな?そんなに大事なものなのか?」

GM  ドレック「いや、アッシには必要ないものなんですが……こりゃあ、連中にやられたかな?いや、しかし……」ぶつぶつ

カイ  「だったら別にいいじゃないか。とりあえずウィル君の様子を見に行こうぜ」

GM  ドレック「ま、金は手に入ったわけだし。良しとしときますか」君達はドレックの家に行く

GM  ウィル「お帰り〜!あ、仕事もう終わったの?なんか嬉しそうだね、うまくいったんだ?」

GM  ドレック「おう!ダンナのおかげで完璧よ!」

GM  ウィル「なんだよ〜!自分の仕事ぐらい自分でしなきゃダメじゃん!相変わらずなっさけな〜!」

カイ  「はは、最後はちょっとヒヤヒヤしたけどな。賭けが成功してよかったよ」

GM  ウィル「賭けって……仕事って博打だったの!?遊びに行ってたの!?あっきれたー」じとーっと二人を見てる

GM  ドレック「そういうなって。このドレック一世一代の大博打だったんだからよ……ねぇダンナ?」頭をなでながら

カイ  「さて、あとはレクスを探すせばおしまいだが・・・そのレクスはどこにいるんだろうなぁ」・・・多分6点分の怪我をしたままだと思うんだけど、間違ってないから黙って苦笑いを浮かべていよう(笑)


レクサールのコネ




GM  君は賑やかなドレック家を後にした。で、家にたどり着く。

GM  レクサール「やあ、お帰り。首尾はどうだったのかな?」」入り口のところで、紫の瞳が静かに君を見つめている。

カイ  「ああ、ただいま。ちゃんと10万ムーナを用意したぞ」

GM  レクサール「それはお見事!まさか本当に準備できるなんて……たいしたやつだね君は」

カイ  「おかげさまで久々に危険な橋を渡ったよ。無事に10万は稼げたからよかったよ」

GM  レクサール「まったく、どんな魔法を使ったのやら」

カイ  「俺一人じゃできなかったさ。ま、これも人徳ってやつだな」ニヤリと笑う

GM  レクサール「人徳、ね……それはともかく。今度は僕が約束を果たす番だね」

カイ  「ああ、頼むぞ。ウィル君を救ってやってくれ」

GM  レクサール「受け取りたまえ……後は向こうから接触してくるはずだ」蝋で封をした羊皮紙と小ぶりのナイフを君に手渡そう。

GM  地域知識を持っていたっけ?もっていたら判定をどうぞ、+3ほど修正をあげる

カイ  「接触って・・・大丈夫なのか?早めに頼みたいんだが」持ってるので12以下で成功です。……成功度2です。今日は絶好調だ(笑)

GM  レクサール「心配しなくていいよ。すぐにやってくると思う」ナイフに刻まれているのは『獅子と杖』の紋章、それはザノン王国宮廷魔術師の印だったりすることを知っています

カイ  「・・・なあ、これってザノンの宮廷魔術師のものじゃないか?なんでこんなもん持ってるんだ?」

GM  レクサール「うーん……ちょっとしたコネってやつ?気にしない、気にしない」

カイ  「そうだな。よし、ありがとよ。今度うまいもん食わせてやるよ」

GM  レクサール「ははは、楽しみにしとく……おっと、そろそろかな」

カイ  「そろそろ?なんか用事でもあんのか?」

GM  レクサール「うん、ちょっと最後の後片付けがね。じきに戻るよ」そういって彼は出かけていくのでした。

カイ  「そっか・・・お前ももう俺の家族なんだからな。無茶はするなよ」去っていく背中に声をかけよう

GM  レクサールはその言葉に一瞬だけ振り返る。何も言わず、ただ 穏やかに微笑むのだった。




退魔の儀式




GM  さてさて。その夜、君はドレックの家である人物を待っていた。それは名前も知らぬ魔術師、わかっているのは彼が悪魔を祓う魔法を心得ているということ。

GM  ウィル「ねーねー、これからなにがあるの?」

GM  ドレック「もうちょっと黙ってろって」

カイ  「ん?まーもうちょっと待ってな。」

GM  そして君の手にしていたナイフが光り始める……で、これがラストの判定だ。知力で抵抗、さあ!失敗しろ(笑)

カイ  「うおお、光りはじめた」ちょっと驚く。えいっ、コロコロ……ふぁ、ふぁ、ファンブルー(爆)ホントに失敗したじゃないですか!(笑) 

GM  え?マジ?(爆)君は肝心なところで意識を失ってしまうのでした〜!

カイ  「んあ?・・・」ばたり




エンディング・カイ




GM  あれから数日が過ぎた。が、君にはどーしても思い出せない一晩が存在してます。前後のことは覚えてるんだけど、そこだけ何があったか、まーったく覚えていません。

カイ  なんなのー一体(汗)

GM  ドレックの家で何かをやったはずなんだけど……?

GM  ウィル「うおりゃー!すきありぃ」ごすぅっと、君のすねを木の棒でぶん殴った「へへへ……訓練ちゅーに油断は禁物だぞー」なんだかとっても元気になってます

カイ  「いたっ!・・・こら、ウィル。いきなりはひどいじゃないか」

GM  ウィル「隙を見せるほーが悪いんだよー」血を吐いてぶっ倒れていたのが嘘のようです

カイ  「ほほう、ならばしっかりとしごいてやろう。こい!」ファイティングポーズ!まあ、なんにせよ元気になってよかったよ、うん。

GM  ドレックは君らの様子を後ろで見ています。

カイ  「・・・なあドレック。俺あの日何したんだ?なんか記憶がないんだけど」あの日のことはドレックとかから聞いてないの?

GM  ドレックにその日のことを聞いても「あの日の晩の出来事は……残念ながら売り切れなんですよ」と帰ってくるばかり

カイ  じゃ、じゃあウィル君は?

GM  ウィル「??」不思議そうな顔をしてます。彼も覚えてないようですな。

カイ  ぐぐぐ・・・全てはあのファンブルが原因か(がくり)

GM  ドレック「ダンナが呼んでくれた方はいろいろと面倒な立場のお人らしくて……知ってる人間は少ない方がいいんだそうです。ま、いいじゃないですか。重要なことさえわかってりゃぁ」苦笑いしながらウィルを後ろからひっ捕まえた。

カイ  重要なこと?

GM  ウィル「こらーはーなーせー」

GM  ドレック「重要なことってのは……ダンナのおかげでこいつは助かったってこと。そして……」

カイ  そして?

GM  ドレック「……ダンナがどうしようもないお人好しだってことですかね?」そう言って片目をつぶり、ドレックは楽しそうに笑うのでした……といったところでカイのストーリーは終了します。お疲れ様でした〜!

カイ  はい、お疲れ様でした。無事に終わってよかった〜。




不幸の足音




イブン ぱーんぱかぱーんぱかぱーん! ぱぱぱぱーん! ぱぱぱぱーん!(by有馬記念)そら、ちゃっちゃと始めるぞー!

GM  おう!それでは開始しよう!イブンサフパート最終回!最初に確認しておこう。さて、君の手元には二つの鏡があるのだが……それらをどう使う?

イブン ドレックには<贋作>を 本物は財布とは別に袋に入れて、身につけておこう。

GM  うむ。基本的な使い方だな。一番まっとうか……あともう一つ問題が。カイゼルはどうする?呼び出すと、あれだ。戦力にはなるんだが(笑)

イブン 呼ばない。敵が応援呼んで来るようなら、本物を餌に呼び出しつつなんてしなけりゃいけなくなるが・・・それに、呼んで、相手が殺されても・・・・・・・・・・まあ、情報を吐くような間諜なぞ、願い下げだが。

GM  呼び出した瞬間、情報もろもろはまったく手に入らなくなるからそのつもりでいるように(笑)

イブン ・・・。

GM  ふむふむ、確認はこんなところで良いか……さて、後は戦うだけなんだが準備する物とかは他にある?

イブン ユトルが居ないんじゃ、連動はないしな・・・出かける前にシュナに挨拶・・・あ、いや、帰ってきたところで、シュナにまず聞きたいことがあるんだが。

GM  ふむ、では君はバイカン工房に帰ってきたぞ。  シュナ「お帰りー、イブンさん!」彼女はぱたぱたとはたきを棚に。お掃除中のようです。

イブン 工房って言っても、表は閉めてるかもしれないから、裏からだな「ただいま、シュナ。何か変わった事はなかったか?」

GM  シュナ「今日もお客さんの入り具合はいまいちだねー」ぱたぱた

イブン 「そうか・・・でも、掃除ご苦労だな。いつもは俺の仕事なんだが」言って、頭なでて飴をわたす。「まあ、こちらもまだ終わってない。明日には戻れると思うが・・・・それと、小麦粉はどこにあるか教えてくれないか?」そう、なければ買いに行くまでよ。

GM  シュナ「小麦粉〜?えーっと……台所にあると思うよ。上の戸棚のとこね」

イブン 「分かった・・・・」じゃ、それとりに行って、即席煙幕袋を作ろうかね。2、3袋は作っておきたいな。

GM  魔法使い対策か。では普通に作ることができる。準備してくれたまえ。

イブン らじゃ・・・布で包んで、細い糸で縛る。後は、鏡二個持ってるか調べたり、剣研いだり、包帯巻きなおしたりして時間つぶすよ。

GM  君は即席煙幕段を作った。判定は……命中させた後、3D6だ。10以下で上手く開いた物とする。そうやって準備に時間を費やした……そろそろ時間かな。

イブン <投げ>が敏捷−3だから・・・10以下二連続・・・ん、今日は大丈夫な予感。

GM  シュナ「イブンさーん。お客さんだよ?」君の部屋にやってきた。

イブン 「・・・開いてる。通してくれ」

GM  シュナ「すーっごく綺麗な女の人なんだけどぉ……知り合い?」すこ−し視線が冷たかったりするんだけど

イブン 「女性・・・?・・・名は聞いているか?」誰だ・・・?

GM  シュナ「知らないよ。じゃあ、通すね」というわけでシュナは退場だ。

イブン カイゼルが表から普通に来るはずないと驚いていたんだが・・・w

GM  代わりに登場するのは「超美人」で露出はマントはおってるからないけど、服の上からでもとってもグラマーなのがわかるようなお人……長い黒髪を後ろでまとめた、紫色の目をした美女だ。

イブン とりあえず、不信(笑)ついでに物腰も観察・・・出来る? 戦闘系技能もってそうかな?

GM  ??「やあ、そろそろ準備できたかな?迎えに来たよ」と言ってウィンクしながら登場だ。できるもんならやってみろ(爆)

イブン その挑戦、しかと受け取った(爆) コロコロ、ダメか・・・ま、分かりきっていたが・・・声に聞き覚え、あるよね?

GM  ないよ。あ、声まで「美声」だったりしますぞ。

イブン 「・・・失礼だが・・・どちらかな?・・・少なくともこちらには見覚えはないのだが」立ち上がって相手を見るよ。

GM  ??「いきなり不信なんてつれないなぁ……僕だよ、僕。わかんない?ふふふ♪」君擦り寄ってやろう(笑)

イブン 究極の選択(笑) 1、贋作の作り手 2、キリュウ 3、変装したレクス(裏?)(爆)

GM  選択肢になっているのか?それは(笑)

イブン 「少なくとも俺の知り合いに、そんな格好でやってくるような人物に心当たりはないが」このロマンス不干渉男に、そんなのが通用すると思うなよ(違)

GM  ??「……いつもはあんなに優しいのに」寂しげに顔を伏せよう

イブン 「いつもそんな格好はしていないだろう・・・もういい、お前相手に腹の探りあいしても仕方がない」体を離す。ドア、開きっぱなしになってないか?なら閉めに行く。

GM  キリュウ「……とまあ、冗談はこのくらいにしとこうかな。そう言えばこの姿でここに来るのは初めてだもんね、わからなくても当然かな。僕さ、キリュウ……この姿も覚えといてね。わりとよく使うんだ」もう一度ウィンク

イブン 「・・・便利なものだな・・・で、一体どういうつもりだ?てっきり最後までおとなしくしているものと思っていたが」

GM  キリュウ「ん?手を組もうって話したじゃないか……まあ、気にしない気にしない、猫は気まぐれなものなのさ。ところで準備はできたかな?」

イブン 「ふん・・・好きにしろ。それに準備ならもう出来ている」と、<贋作>が入っている懐を叩いてみせる。

GM  キリュウ「そっか。じゃあ行くよっ……早くしないと始まっちゃうからね」では君を引っ張っていこう。さりげなく腕を絡めて(笑)

イブン 「行くか・・・分かったから、離れて歩け」

GM  キリュウ「あははは……手を組もうって言ったじゃないか。それにこんな世界でも稀な超美人と腕を組んで歩けるんだ、もっと嬉しそうな顔をしたらどうなんだい?」ちなみに街行く人がことごとく振り返るくらいの代物だぞ

イブン 「・・・造詣の美醜で俺は人を判断するつもりはないぞ・・・それと、歩きにくい・・・あと、この顔は生まれつきだ」・・・シュナに挨拶していくの、わかってやってるだろう?w

GM  シュナ「イブンさ……二人でお出かけ?」では登場(笑)

GM  キリュウ「うん、そうなんだ。店番頑張ってね♪」

イブン 「ああ・・・大事な用でな。それも多分、今夜で終わる・・・じゃ、後は頼むぞ。行ってくる」シュナの頭なでて、出るよ。

GM  シュナ「今夜ねぇ。ふーん、そう……いってらっしゃーい」ちょっぴり視線が冷たいのでした(笑)




賭博場に潜入




GM  さて、十分に街の人に見せびらかしたあと君を路地裏に引っ張り込もう。そして……。

GM  キリュウ「そう言えば君の格好も今のまんまじゃ拙いね……」指をパチン、君はパリッとした高級な服装の老紳士に変身だ

イブン で、その幻覚は自分でも確認できる類のもの?

GM  おう、君にもわかるぞ。声までばっちり変わってる。なにしろ「完璧幻覚」というくらいだからな。ルール的には不信で消える以外は本物とまったく同じらしい。

イブン 身体感覚の残るシェイプチェンジって感じか?

GM  キリュウ「さあ!こっちだよ、お父さん」『瞬きの栄光』まで腕を引っ張っていこう

イブン 「・・・ふむ」手をにぎにぎ「・・・便利だな・・・じゃな、の方が良いか?」 おじいさんの演技なら、ユト爺が居るから、それを参考に

GM  キリュウ「細かいことは君にお任せ」君達は『瞬きの栄光』にたどり着いた。そして……。

イブン 「・・・分かった。とりあえずはドレックと合流しなければな」 小声で応えておこう。

GM  キリュウ「うーん……あんまりそれは良くないかも。連中に警戒されるかもよ?僕としては連中が動くまでじっとしておきたいんだけど……合流しないと拙い?」

イブン 「しかし、渡さねばならん・・・そういう段取りなのだが」どうしよっかな 「・・・ぎりぎりまで待ってみよう。それまでに動きがなければ、その警戒を逆に手取ることが出来るかもしれん」

GM  キリュウ「ああ。そういうことか……りょーかい、僕が何とかしよう。鏡を貸してくれ。君は観客席の方に行っておいてよ。『良い席』を確保して欲しい……かけ金の台とかしっかり見える位置がいいね」

イブン 「分かった・・・頼むぞ」猫をなでるように頭なでて、移動しよう。鏡も渡しておくよ、もちろん。

GM  キリュウは偽鏡を掴むとふらりと姿を消した。そして君は……知力判定を。

イブン むう・・・やはり知力は苦手だ。1失敗。

GM  残念ながら、知り合いの姿を発見することはできなかった。……成功していれば、カイとかドレックとか、金髪の男とかいたんだけど(笑)

イブン まあ、裏を返せば、それくらいこの賭場は儲かっている、と。

GM  それはさておき、君は人の流れについて気がついた。今いる場所はカジノ『瞬きの栄光』のプレイルームなんだが徐々に人が減り始めている。 どうやら、トイレの方に行ったまま戻ってこない客が多い。

イブン 「・・・・・・なるほど、な」トイレを睨んで、人の流れにも注意してみるよ。つまり、入ってきて、そのままトイレに消える人もいるってことだね?

GM  うむ。そのままトイレに消えていく人間もいっぱいいるぞ。

イブン そちらに行こう。




情報部、発見




イブンサフは長い通路を通り、階段をくだり、再び通路を抜けて地下闘技場の観客席にたどり着きました。

カイルートに続き、いよいよこちらも大詰めです。

GM  君は観客席にたどり着く。地下には意外なほど広い空間がある。みな席に座り、静かに待っている。

イブン さっき言った条件に会う席に移動。

GM  良い席を発見できるかどうかは知覚判定次第、ここでの成功度が次の敵キャラ発見判定のボーナスとなる。

イブン じゃあ、席発見〜 ・・・5失敗ちょい辛いな。仕方ないとはいえ・・・シティ物は知力判定が重要だよなぁ・・・。

GM  あんまり良い席は発見できなかった、と……。 キリュウ「や、渡してきたよ……ありゃ、今一だねこの席。うーん、仕方がないか」君が席を確保してしばらくすると戻ってきます

イブン 「すまん・・・少し入るのに手間取った」

GM  そして静かに時間が過ぎ……舞台には君の良く知った人物が挙がるわけですな

イブン 「・・・・・・・・・・・・はぁ」

GM  キリュウ「あらら……?カイ君じゃないか……」で、司会の人間が「レディィィス&ジェントルメェェェン!」と解説を始める。

イブン 「・・・まあ、あれは心配しなくても良いだろう。むしろ俺たちが心配するべきは別だ」

GM  キリュウ「でもさ。対戦相手、狂獣のジュダだってさ。彼、殺されちゃうかも。手助けしたほうが良くない?」またしても知力判定、ジュダにあったことのある君には3点ほど有利な修正だ

イブン 16で失敗……ちょっと待った。今裏タマに居るジュダは偽者だって、ドレックに聞いてんじゃなかったか?

GM  うん。そう言えば偽者だという話は聞いているね。凄いね、本物と見紛うほどだ。あれは本当に本物のジュダかも、と思った(笑)確かにとどめはさしたつもりだったのにね〜、もし本物だとしたら何で生きてるんだろう?てな具合に。

イブン 「・・・本人ではないだろう。だが、よく似ているな・・・」 少なくとも、身長・体格は。

GM  やがて戦いが始まる。動き出してしまえば君にはよくわかる。あれはジュダじゃない。本物と比べたらかなり落ちる。

GM  キリュウ「なるほど。動きが違う。確かにあれは偽者だ……あれならカイ君の敵じゃない」

イブン 「・・・あれは俺が見込んだ男だ。易々とは倒れまい。・・・それよりも黒服は来ているか?」

GM  キリュウ「まだみたいだね」 戦いは白熱し、会場が熱気に包まれた頃だった。さあ!知力判判定だ。成功すれば敵の動きに気がつくぞ。

イブン きついなぁ……っていうか、修正加えるとクリティカルだけじゃん(汗)

GM  キリュウ「……今、あっちの方で……あの男だ、動きおかしくなかった?」君が気がついたとき、その人物はスタスタと通路に消えていくところだった。あの金髪には見覚えがあるぞ。あっさり持ち逃げされてますぞ……まあ、贋物だけど(笑)

イブン 「ちっ・・・追うぞ!」追いかけるよー

GM  キリュウ「了解!」




イブンVS鉄仮面、第2ラウンド




イブンとキリュウは金髪男を追って『瞬きの栄光』を飛び出しました。

そして、追跡の結果……。



GM  キリュウ「こっちだよ。ついて来て!」君達は真っ直ぐに彼の後をつけることができた。相手は路地裏の方に姿をくらませようとする。

イブン じゃあ、全力で追いつこうとしよう。

GM  キリュウ「この位置だったら……確かそっちで挟み込めるね。右、まかせるよ」言うが早いか姿を消すぞ。

イブン まあ、キリュウは心配ないだろうから・・・追いつく方に専念。

GM  黒服「む?貴様は……!?」君は回り込む……そして、お待ちどうさま。リベンジマッチだ(笑)



純粋剣士VS魔法戦士の再戦です。

前回と違い、今回はお互いに手の内はわかっています。

果たして勝利はどちらに……?



イブン じゃ、声を掛けようか「・・・そんなに急いで、どこへ行こうというんだ?」

GM  青服「……つけられたか。愚か者め」

GM  黒服「も、申し訳ありません」実は敵はもう1人いるわけですな(にやり)もう1人は、黒い服に青のマーキングが入った仮面をつけているっと

イブン 「なぜそれを欲しがるのか・・・それでなにをするのか、1から10まで話して貰うぞ」 言うと同時に、煙幕投下

GM  青服「……ほう、その二刀。なるほど貴様が報告にあったエルファか……話すことはないな。殺れ」 

GM  黒服「はっ!」どうぞ(笑)投下してくれたまえ。

イブン コロコロ……外れた「ち・・・投げ物の鍛錬もしなおしだな・・・」 じゃ、剣を構えようかー

GM  煙幕弾はあさっての方向に飛んでいった(笑)

GM  黒服「貴様の相手など俺1人で十分よ……」 まずは1人で相手をしよう。 戦闘開始、こちらは呪文に集中、距離は非接敵の三メートルからだ。こっちの装備は黒服が剣と盾、青服がウィップだ(笑)

イブン また・・・いやらしい武器を。じゃ、こっちの行動は3m下がるw これなら魔法は失敗するだろう。

GM  正しい判断だ。黒服「……ちっ」一歩前進しながら呪文に集中!君は距離をとった。このターンは終了し、次のターンだが……流石に距離が遠すぎる。《目くらまし》……が発動しない(笑)

イブン 接敵、二刀流!

GM  次のターン、仕方がないから距離をつめて攻撃しよう。移動して……戦闘オプション「体当たり」を実行。

イブン 体当たり、って?

GM  相手を転倒させる攻撃オプションだ。移動攻撃でもペナルティ内から有利なんです(笑)君達は同時に距離をつめ、同時に繰り出す。黒服はたてを構えたまま突進!……てーい!うっ、16!?んなばかな……スカった!?

イブン あれ? そっちは・・・・通り越したのか「幻覚に惑わされたな」てなわけで反撃〜。

GM  黒服「ちぃぃぃっ!」 すれ違いざまに切り裂いてくれ(笑)

イブン コロコロ、両方外れたよ・・・。

GM  では両者仕切りなおし、エンゲージしたところから戦闘だ。青服「……」距離を測りつつ君達の様子を見ている。



戦闘は始まったばかりである。

いまだ流れは定まらず……。



GM  黒服「くらえっ」通常攻撃が当たりかけてる。

イブン 受け。コロコロ、あれ? くらっちゃった・・素直に後退受けすればよかったな。

GM  黒服「死ねっ!」7点のダメージだ。生きてる?

イブン いきなり瀕死。転倒判定は成功してるが。こっちは普通に二刀流で反撃だ!右っ!左っ!両方命中!

GM  黒服「……貴様の剣はすでに見切った!」受けて止めました。



舌の根も乾かぬうちに流れは定まったようである(笑)

イブンサフ、大ピンチである。



イブン まあ、一筋縄には行かないか。青服はどうしてる?

GM  青服「……早く片付けてしまえ!」余裕ぶっこいて静観してますぞ。次のターンはフェイントしてやろう。

イブン 何?!考えることは同じか・・・。

GM  とりゃー!……ダメか。成功度2では話にならんな。

イブン 成功度3 無効化ー。行くぜ、本家のフェイント、14成功!

GM  うわぁ……めちゃめちゃ来てる〜!こりゃ、次はクリティカルじゃなきゃかわせんなぁ……。

イブン ふっふっふ・・・悪いが、憂さ晴らしにさせてもらおう・・・。



流石にフェイント勝負とかになると地力の差は圧倒的である。

起死回生なるか!?



GM  で、次のターン。どうしようかな……えーい、仕方がないどうせ喰らうなら全力だー!

イブン ぐわ・・・な、何がくる?

GM  黒服「なめるなよっ!エルファ風情が!」ダブルアタック!出目は9と8の両方命中、だ!

イブン 受け、受け。最初のには、後退も交えて……成功、失敗・・・はぁ・・・・・・絶不調〜。全力攻撃されてるから、フェイント分の補正は意味ないし。ちくしょー。

GM  黒服「もらった!」今度は4点ダメージ!さーあ、追い込んだぞ(笑)同時に攻撃くださいな。さあ、どこを狙う?

イブン 転倒はなしだが、マイナス行った。気絶判定は、次のターンからか・・・ ここは手加減できそうにないな・・・目の隙間狙いで−10か。

GM  それは……当たらないだろ。いくらなんでも。今なら二発とも命中させれば確実に当たるよ、何しろ全力攻撃だからね(笑) ここで何処を狙うかが勝敗の分かれ目だぞ。

イブン そうだな。よし・・・ここは賭けだ。のどに二刀流攻撃だ。目標は11か……「つあああぁぁっ!」右!10!左!11!両方命中ーっ

GM  コロコロ、だめだ〜!両方当たりやがった。

イブン よし・・・いや、まだまだ、ダメージ次第だ・・・7点と7点の切りダメージ。

GM  ちなみに喉に対して切りは二倍ダメージっと……それぞれが10点か、生命力と同値……首を切り落とされる可能性があるな。てことは生死判定2回……いや、通常のダメージ合計のやつもあるから3回か。



喉狙いで生命力以上のダメージを受けた場合、キャラクターは生死判定をしなくてはなりません。

失敗すると一撃で死亡してしまうのです。

しかも黒服の生命力は10、トータルダメージでもマイナス生命力なので生死判定1回……きっつー、こりゃ終わったかな?



GM  黒服は防御を捨てて君に一撃を加えた!その一撃は性格に君の体を切り裂き大きなダメージを与える!しかし、同時に繰り出された君の斬撃は正確に黒服の喉を切り裂くのだった!……コロコロ、14。死んじゃった〜。

イブン 「・・・首筋への一撃は・・・っく、ハンターの鉄則だ」剣を杖代わりに、何とか立ってる

GM 黒服「ごふっ……」血の泡を吹いて崩れ落ちる。確かな手ごたえ、致命傷だ。二つの影が交錯し、君は片膝をついた。で、黒服のほうは崩れ落ちるって常態か。  

イブン ふは・・・っと、こっちも気絶判定?

GM  そうだね。このターンは終了し、次のターンの頭、気絶判定をどうぞ〜。



ああ、やっぱりやられたか。

しかーし!黒服が倒れた今、真の脅威は動き始めます。

対するイブンは満身創痍、いくらなんでも勝ち目はないかな。

そろそろ助け舟を……。



イブン ……7。成功、とりあえず、すぐに気絶じゃないのか?これなら。



おや?



GM  青服「……仕方がない」このターンから青服が行動だ。呪文に集中……おっと、集中はいらなかったんだ。青服だから(鬼)瞬間で魔法を発動……よし成功。でもってウィップで君の動きを封じにかかる!

イブン 移動力下がってるから、よけも下がるってのに・・・離れたら相手の独壇場だ、接敵する。

GM  こっちの方が早い!まずは命中!よけるか?うけるか。まずは回避してくれたまえ。

イブン どうなったら絡まるんだっけ?よける・・・しかないよなぁ・・・ 2、2、2の6。うおぉ、成功。



あれれ……?



GM  青服「今のを避けるか……やるな!」片手がぼうっと光っています。お見事!ウィップで捕まえて死の手をかます予定だったのに〜!せっかく瞬間発動なのにー!無念。

イブン 殺す気かー!?

GM  ストーリーはノリでいくらでも手心を加えるが、戦闘では手加減しない!これが私のポリシーだ!反撃をどうぞ〜。狙うもよし、普通に切るも良し。ちなみに盾は持っていないから回避能力は低めだったりします。



といっても避けは修正込みで13、普通のキャラなんかよりはるかに上だったりするのであるが。



GM  青服「呪文の使用に言葉など要らぬ、これが指揮官クラスの実力……ザコとは違うのだよ!ザコとは!」君には相手が言葉もなく、集中もせずに魔法を使ったのがわかる……はっきり言ってとんでもない実力者だ!

イブン むう・・・死の手だけは最低封じておきたいな・・・ということで、腕狙い二刀。右8、左11で両方命中だ!

GM  ではまず一撃目をよける。



予想外に粘るイブン。

しかし、GMはイブンに勝利はないと思っています。

負けて鏡を奪われたほうが後の展開上、都合がいいのである。

青服は一撃喰らった程度じゃ沈まないからGMは余裕しゃくしゃく……だったんですが。



GM  コロコロ、17!?じこったー(爆)

イブン よっしゃ



んなバカな……。

青服、避けそこなってすっ転んでしまいました。

当然転倒状態で2撃目を避けられるはずもなく。



イブン ・・・・・・・腕、飛んだんじゃないか?

GM  ええ、きっちり切り落とされましたとも。転倒して、それぞれの剣で両腕がばっさりだよ。そして……そのままダメージで気絶しちゃいました。これで君が気絶判定して起きていれば、完全勝利だな。



なんてこったい……。

戦闘時のみ爆発的なサイコロ運を見せるイブンサフ、GMの計算はまだまだ甘かったようである(轟沈)



イブン 「・・・口がたつ分、腕はいまいちだったが・・・ぐぅっ」 気絶はーんーてーいー……おうっ、立っとる!

GM  青服「ザコとは違……ば、ば、か、な……」ばたり。……君は勝利した。二人とも相当な相手だった。だが、文句なしに君の勝ちだ。 おみごとー!よくぞ勝利した!すげーよ、あんた。お手伝いさん(キリュウ)出てくる暇なかったよ。

イブン 「・・・おい、終わったぞ。出てきても大丈夫だ・・・」向こう側の暗闇に声かけようか。

GM  キリュウ「お見事……うわ、二人とも倒しちゃったんだ……すごいな」

イブン 「ああ・・・だが、こちらもすぐには動けない。すまないが、その鞭で青服を拘束しておいてくれ・・・」

GM  キリュウ「でも、こっぴどくやられたね……まあ、連中を二人も相手してその程度で済んでるってのが凄いけど……とりあえず飲みなよ」エリクサを渡そう。1D6回復します。

イブン 「ん・・・すまん・・・」震える手で受け取ろうとしよ……ぶは!?1点しか回復しない!?飲みながら気絶しそうだが

GM  キリュウ「……へぇ、あいつ、まだ生きてるの?」じゃあ、生命力は意識を維持できるほどには回復しなかった。

イブン 「・・・腕の痛みで気を失っているだけ・・・だろう・・・」

GM  君は遠のく意識の中、キリュウが倒れた青服に向き直るのを目にする。キリュウの紫の目が妖しく、そして冷たく輝き……そこで君の意識は途絶えるのだった。




エンディング・イブン




GM  ではエンディングに移ろう。

イブン ふひぃー。

GM  がんがんがんがん!賑やかな音で君は目を覚ます。毎度おなじみの音である。

イブン 「・・・・・・く?・・・な、なんだ・・・ぐぅっ」と、HPは1になっていいのかな?

GM  カイゼル「ばっどもーにんぐ、イブーン……」例によってあの男が来襲だ

イブン 「相変わらず、血圧の高い・・・ここはどこだ・・・?」周りを見回してみよう

GM  カイゼル「てめー!この腐れが!よーくーもー俺をハミにしやがったな……」コメカミに青筋たててます。場所は自分の部屋だね。全身包帯グルグルでまだ相当に痛むけれど、きちんと手当ては済んでいるようだ。

イブン 「ふ・・・たまには弟弟子に花を持たせろ・・・」

GM  カイゼル「くっそー、せっかくのエモノを……だー!うがー!一匹ぐらい残しておくのが日ごろ世話になっている兄貴分への心遣いってもんじゃねーのか!?あん!?」

イブン 「大体だな・・・仕留めた数は、そちらの方が多いんだ・・・それで我慢してくれ・・・」

GM  カイゼル「まあいい。仕方がねぇな」で、君の手には鏡が残っているわけですが。

イブン 「・・・ほら、これで任務完了だ・・・」渡そう。

GM  カイゼル「あー……取り戻したのか。それな、お前がそのまま持っとけ……あと、追加の任務な」

イブン 「む・・・戻さなくて良いのか?・・・追加?」

GM  カイゼル「ユヴァルの遺産を残らず集めろ、だそうだ。『玉』『鏡』『剣』なんだと……めんどくせぇ話だ」

イブン 「・・・拝命した・・・尽力しよう・・・・・だが、まずは回復しなければ・・・な。ところで、俺をここまで運んだのはアナタか?」

GM  カイゼル「違うぜ。女だったな……お前の知り合いじゃないのか?なんか人をくったやつだったが。……素性を聞いたらお前の恋人って名乗ってたぞ?ほんとなのか?」首を捻りながら。

イブン 「そうか・・・後で、魚でも馳走するか・・・しかし、それなら治癒術者か、病院に・・・・・・病院?

GM  ……思い出してくれていいよ(笑)

イブン 「ううううぅぅぅむ・・・・・・拙いかもしれん」もはやカイゼルの声は聞こえてないです(笑)

GM  カイゼル「……まあいいや。報酬はここに置いとく。じゃあな」窓から去っていこう

イブン 「ああ、アナタも達者でな」脂汗と、違う汗かきながら、見送ろう。

GM  さてと……どうする?(笑)

イブン もちろん、病院へ・・・治療を受けにね?これまでの傷と・・・これからの傷の分のだ(爆)

GM  了解(笑) ところで、君にとっては本当に余談であるが……ドレックのほうは上手くいったらしい。お礼は言いに来ていたんだけれど……まあ、君はそれどころではなかったのが確かだ。

イブン なるほど。で、武勇談をカイからも聞かされるうえに、ウィル君はカイになついてしまうわけだな。

GM うむ。で、どうしてそれどころではなかったか、ていうと……まあ、病院でとある人物にあって、とっても『不幸』な目にあったからだ。ということで……今回の物語は幕としようか(爆)

イブン モノローグに期待(笑)




『ったく、眩しいったらありゃしねぇ』

息子と戯れる彼の姿を見て<情報屋>は目を細めた。

彼が探し回って、どうしても見つからなかったものをあっさりと掴んでしまったこの男。

『英雄ってのは、こういう方の事を言うんですかねぇ……』

彼はこれから先も武器を手にとって戦うことだろう。

自らの大切な者の為に。

あるいは見知らぬ者の為にも。

『危なっかしいねぇ』

彼の器は大き過ぎる、と<情報屋>は思った。

それこそ、大量の厄介ごとまで入ってしまうほどに。

指し当たっては例の鉄仮面だ。

ザノン王国情報部。

あれ以来、動きはないようだが……。

『あの程度でおとなしくなるような連中じゃあねぇ、か』

いずれまた動き出すだろう。

宝玉を狙って。

『拙いことしちまったよなぁ……』

きっと彼は狙われることだろう、なにしろ<情報屋>自身がその情報を売ってしまっているのだから。

『当分はあっちの方面から目が離せねぇな……』

情報部の動きには目を光らせておく必要があるだろう。

『ダンナに気をつけろって言っても無理だろうし』

<情報屋>はそう思って自分にできることを考え始め……苦笑いを浮かべるのだった。

『ったく、ほんとにらしくねぇや』

どうやら本当にこの底抜けお人好しに惚れちまったようだ。

「ドレック、何を考えてんだ?」

「いやね、どうやってつり銭を払おうか思案してるところでして」

「なんだそりゃ?」

「つり銭を払いきれるまではただ働きかなぁって……ね」

「借金でもあるのか?」

「まあ、そんなところでさぁ」




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