花嫁の遁走曲(ミリステア・フーガ)
〜羽飾りを君に〜
第5楽章





最終日




いよいよ、結婚式当日。

これまでの行動で味方に引き入れたNPCは以下の通り。



エルバルト(警備本部の人)

クラップ(警備現場の人)

キリュウ(式場の演出係)

ドレック(???)

シュナ(式の野次馬その1)



彼らの協力を得て、3人は動き出す。



GM さて最後だ。君たちの初期配置を決めよう。神殿の外(群集一杯)、神殿の中(関係者がうろついている)、女神の広間(結婚式場)と三箇所だけ。イブンの初期配置は、外。他の二人は自由。お二人さん、初期配置を選んでおくれ。外に居て群集をなだめていてもいいし、神殿の中を歩き回っていても良い、式場に張り付いていても良い。

カイ  女神の広間!むしろ俺がこの場所以外にいたら逆に変!(笑)

GM 了解(笑)

カイ  指輪のくだりになったら飛び出して止めるぜ……くけけけけ。

ユトル  カイとユトルは出入りは自由だよね?

GM うむ。どこに居てもいいよ。

ユトル  …うーん。なら、ヒューイをマークしておこうか。

GM ヒューイは神殿の中を動き回っている。

ユトル  では同じく。

GM よし、では全て決まったな。……いよいよ、本番だ。



朝、晴れ渡ったその日。

イリスの運命が分かたれる日。

街は朝早くからとても賑わっている。



GM 外にいる人は、今までにない、活気に満ちたイリスの姿を見る事ができるだろう。



人々が行きかい、イリスのこれからについてを語る。

街の復興を皆、心待ちにしている。

その一方で、ミリステアの結婚を快く思わないものがいるのも確か。

だが、実際に行動を起こすほどのものは、まだ居ない。



神殿の中。

誰もが忙しく動き回っている。

料理の準備をする者たち。

警備を余念がない者たち。



GM ヒューイがそれを厳しく監視している。ユトルもまたその近くにいる。

ユトル  やれやれ、人が多いのは苦手じゃて。



式場。

花嫁、花婿は未だ現れない。

式の開始まであと少し。



カイ  ううむ、気が気でないなあ……。



式場の完成を最終確認する者。

女神像の前で佇む新婦の父。

そして、警備を行う者たち。



カイ  むほっ、アレイオス本人が目の前に……。



……時刻は静かに過ぎていく。

過ぎていく。

過ぎていく。



ユトル  <ヴァルトニ>はイブンサフの方に飛ばしておくかな……。



外。

どんどんと、大きな音がする。

空を見上げれば、色とりどりの花が咲く。



イブン  「良い、天気だ(空を見上げて)……では、俺は青天の霹靂か?」



大きな音を立てて、花が咲く。

花火。

……デルバイ(ドワーフの信仰する炉の神)が作り出した火薬を使用したものだ。

行きかう街人は皆足を止めて空を見上げる。

ここに居るもので、花火を見た事があるのは何人いるだろう?

それほど珍しく、高価なものだ。

民はその美しさに、壮大さに魅了される。



カイ  見たいなあ……。



そして、それを準備した男が、イリスにもたらす物に期待を抱いた。



神殿の中。

警備をしている者たちに動きがある。

式の一切を取り仕切っている人間が、命令を出す。

ヒューイ・レオル。

その表情は厳しい。



GM ヒューイは警備の者を数名ずつ集めては、次々に指示を飛ばしている。

ユトル  大体の内容は聴こえるかな?まぁ、他愛のないことなら気にしないが。

GM どこを警備しろ、とか、侵入者は問答無用で確保しろとか。そんな事を言って回ってるよ。あとは警備の甘そうなところを発見しては、その穴埋めをして回ってる。侵入者が誰を指すのかは明白だよね。

イブン  警戒されてるなぁ……(笑)

ユトル  「…………(じっと見ている)」

GM ヒューイ「バイカン殿、貴方もこんな場所で油を売られては困ります。本日、侵入者が予測されます。契約者の代理として、侵入者の排除と捕獲をお願いしますよ」

GM ……ここで君は違和感を覚える。

ユトル  ?

GM ……違和感の正体。それは、君が先ほどの命令に対して何も感じないという事。



ユトルは知っていた。

サインした書類が、ガヤンの誓いと呼ばれるものだった事を。

にもかかわらず。

魔力の縛りは感じない。



ユトル  「ええ、そうですな。ところで一つだけ。妙な噂が立っているのをご存知かな」

GM ヒューイ「何のことでしょうか?たいした事でないのでしたら……報告は不要です。警備の方、お願いします」

ユトル  「……まぁ黙っておきましょう。貴方にはここで言わない方がいいかもしれない。さて、身体が何かに縛られておるようですな。まぁ、自ら望んだこと。悪い気はしませんが」

GM ヒューイ「……そうですか。きっと明日には大丈夫でしょう」

ユトル  「では」

GM ヒューイは、そのまま立ち去ってしまいますよ。

ユトル  イブンの進入経路の方に行こうかな。何かあったときのために。

GM では、歩いていく君の横を通り過ぎる人物がいる。

GM エルバルト「いよっ!」

GM シュタッと手を上げて、君に挨拶をするのはガヤンの高司祭。

ユトル  「これはダイムさん、すっかり働き者になられましたね(目配せ)」

GM エルバルト「いやー、もう働きすぎで、過労気味だよー。さっきもへましちゃってねぇ」



ガヤンの誓い。

その呪縛を打ち破るには、書類を破棄してしまう必要がある。

方法はいくつかある。

その中で最も簡単なもの、それは書類の文字を消してしまう事。



GM エルバルト「大事な書類にお茶をかけちまったよ……はっはっは」

ユトル  「それは大変だ。後で叱られないといいんですが……まぁ、貴方が最高責任者でしたね(笑)」



文字を読めないほどに滲ませてしまう、とか。



GM エルバルト「で、調子はどうかね?」

ユトル  「すこぶる好調ですよ。本来の自分に戻ったような気がしますね」

GM エルバルト「そうかい、そうかい、うらやましいなぁ……こんな面倒な事、早く終わらせてしまいたいよ」

ユトル  『軍師殿、上手くやってくれたな…』

GM エルバルト「じゃま、そういう事で」

GM エルバルトは軽く手を振ってきびすを返す。

ユトル  「では」

GM エルバルト「立場上、手助けできるのはここまでだから……後は勝手にしてくれ、もー、知らんよ」

ユトル  「感謝します(一礼)」

GM では、これで彼は立ち去る。

ユトル  「(小声で呟く)やれやれ、相変わらず頼りになる人だ」



式場。

次々と人が集まる。

皆、街の有力者たちだ。

見た事のある顔もあるし、ない顔もある。



ユトル  見方を変えればここは絶好の社交の場じゃなぁ。

カイ  レンパパとかもいそうだなあ。

ユトル  確かに、レンの父親はかなりの有力者じゃろうな。

GM きっと居るんじゃないかな?



街の有力者たち。

その筆頭は、領主アレイオス・イリス。

自分の席に座り。

静かに時を待っている。

待っている。

待っている。



GM ガロードの姿はまだないけれど、その執事であるセバスの姿はあるね。やがて、ヒューイもこの場に現れ、席に座る。気が付けば、席は一杯だ。



……。

……。

……式が始まった。



ユトル  《隠匿看破》や《透明壁》を常動にして、本来の仕事もしておこうかな。

GM 了解。不信な人影があればきっと、分かる事だろう。

ユトル  うむ。ないと困る(笑)

GM だが、今のところなさそうだね?

カイ  一応、俺も仕事をするフリはしておこう。

ユトル  「(……遅いな、イブンサフめ)」

イブン  ん?そろそろいいかな?



外。

ひときわ大きな花火が上がる。

街の民が一斉に沸く。

始まったのだ。

式が、たった今。



GM 何の宣言もなかったから、イブンは未だ外ですなぁ。

イブン  自動進行中だと思って、静観してた……(汗)

GM イブンは未だに外ででっかい花火を見ているねぇ(人事のように)

ユトル  急いで急いで(汗)

イブン  「さて……片羽を取り戻しにいくか」



式場。

式場を警備している者、魔法を使って監視している者はその中を見る事が出来る。

花婿が入場する。

花婿の名前は、ガロード・レオル。

ガロード・レオル。

かのレオル商会の会長。

その富は、ザノン王国において並ぶものなし。



カイ  手には例の指輪ははまってるのかな?

GM まだ、指輪はないね。

ユトル  まぁ、指輪を嵌めるのは誓いのキスの前じゃろう。教会式ならばじゃが。



派手な服を纏い、のたのたと、赤いじゅうたんを歩く。

花婿が入場し、自分の席へとたどり着いた。



イブン  全速力で、式場へ向かうよ。



外。

イブンは野次馬を掻き分けて、神殿に近付く。

だが、警備の壁は厚い。

驚くほどの人数が、要所要所を守っている。



イブン  「これも、お嬢の人望か……」

GM ……入れそうな場所を探すには、結構な時間がかかりそうだ。

イブン  「違うな。加えて、ヒューイの手腕か……さすがだな」よいせ、よいせ。

ユトル  耳で式場の様子を聞いて、<ヴァルトニ>でイブンサフを見ておくかな。

GM 進入場所を探しているイブンの姿を見る事ができますよ。

カイ  俺は手助けできない。個人的にはイブンが来ることを知らないのよね……なんとなく察するだろうけど。

ユトル  なら《精神感応》でクラップに連絡『ブラックウィング、イブンサフを頼んだぞ。場所は…(方向感覚を駆使してイメージマップを送信)ここじゃ』

GM ふむ。そう催促されるならば、クラップの方から迎えにいくか。



式場。

花嫁が入場する。

純白のドレスを纏い、静かに歩む。

静かに歩む。

見る者は、その姿にことごとくため息をついた。



GM 入れそうな場所を探していると、イブンの前に見知った顔が現れた。



カラス羽のミュルーン。

クラップ・ブラックウィング。

イブンの姿を見て、困ったような表情。

彼の仕事は式場の警備なのだから。

通すべきか、通さぬべきか?



イブン  「すまん。頼む」

GM クラップ「空耳が聞こえるで、おかしいなぁ。何もおらんはずなのに……(イブンをじー)」

イブン  「……」目で礼を言って、脇を通り抜けよう。

GM クラップ「……あー、ワイの耳は変になってしもうたんかなぁ?」



クラップは、進入を見逃した。

イブンは神殿の中へ。

だが、そこから先は彼も手助けできない。



式場。

赤い絨毯の上を歩む、ミリステア。



ユトル  ヴァージンロードか……傍らには父親のアレイオスかな。

カイ  いつでも飛び出せるように準備をするぜ。



ミリステアは足を止める。

アレイオスが席を立ち、その元へと。

手をとり、二人で歩み始める。

歩み始める。

そして、二人は女神像の前へとたどり着いた。

小さく祈りを捧げ、二人はそれぞれの席へと。



神殿の中。

あちこちに警備の目がある。

下手に動けば、見つかるのは目に見えている。



GM ……さて?

イブン  アー……そうだよな、うん、そうだ。警備の注意が、外に向かないかな……?

ユトル  キリュウの出番はまだ早い。



式場。

花嫁が自分の席へとたどり着いた。

挨拶が始まる。



GM 司会進行はサリカの高司祭。君たちとは面識のない人物だ。彼が結婚の守護神たる、サリカ神へと祈りを捧げ始める。



長い、祈り。

長い、長い、祈り。



ユトル  「仕方ないな……」警備に周るふりをしてイブンの所まで行こう。《瞬間移動》でイブンの傍らに……成功。

GM では、イブンの傍らに、ふわりと風圧が。ユトルはイブンの傍らへと現れた。

ユトル  「遅いぞイブンサフ、不器用なエルファのために白き輪の天使がお前を助けよう……《透明》!」 これも成功。

イブン  「……すまん。ヒューイの覚悟は、相当なものだった」小声で。

ユトル  「さぁ、行け(通り過ぎる瞬間に耳打ち)」

イブン  「ああ」短く答えて、微風を残してダッシュ。

ユトル  儂自身も戻ろう。



式場。

祈りが終わった。

新郎の挨拶が始まる。

商会の財力をはじめとする、己の権威を誇示するだけの言葉。

それが、ただただ続く。

続く。

続く。



カイ  場内の人の反応はどうかな?とくにミリアとアレイオス。

GM 静かなものです。誰も、何も言わない。皆知っているのでしょう、これが政略結婚であることを。



透明になったイブンを妨げるものはもう居ない。

式場が、近い。



式場。

花婿が席に戻る。

花嫁が席を立つ。

言葉はない。

言葉はない。

言葉は……。



イブン  じゃあ、そこに突入だ!

GM でーきるーかなー?(笑)

カイ  わあ(笑)

GM ユトル爺さんに一つ質問。……透明の魔法ってどのくらい頑張って維持する?

ユトル  それが悩みどころなんじゃよなぁ。何故って、もう1分維持したら気絶するぞ(笑)

GM そして、イブン。君はとくに会場の中に関して事前情報を知らない……から、何分かかるかはサイコロ振ってもらうぜい。

イブン  ほいほい。

GM まあ、1D6分に負けておいてやろう。振るのはユトルが宣言してからと言う事で。ユトルの宣言以下が出れば、透明なまま会場入り。駄目だったら、透明が切れた状態で会場に到着。

カイ  イブンが遅れたら俺が止めないといけないのか……ぬう。

ユトル  どうせ儂は帰れそうにないからもう1分は維持しよう。合計2分。

GM じゃあ、1D6で2以下ね。

イブン  では、走る!――――5分(がくっ)だいぶ手前で透明化切れたなー。

GM だな。ばれてーら。では、邪魔させていただこう。会場に踏み込むには障害を一つ突破してもらおうじゃないか。

ユトル  儂、体力消費損!?(笑)

GM 消費損です(笑)



会場。

列席している人物の元へと駆け寄るものがいる。

ヒューイ・レオルへと、警備のものが駆け寄る。

耳打ちをしている。

ヒューイ・レオルが席を立つ。



GM ヒューイはカイの元へと歩いていく。

GM ヒューイ「どうも……」

カイ  「……どうかしましたか?」

GM ヒューイ「どうやら、出番が来たようですよ。この会場に侵入者が現れたようです。警備の方、よろしくお願いしますね」

カイ  「なるほど……ようやく役者がそろったってわけだ」 GM :ヒューイ 「そういう事です。ご協力をお願いしますよ」

カイ  うーん、このままイブンとガチンコ対決するのも面白そうだけど、危険なのでやめとこう。

イブン  イブンの戦闘スキルには、手加減がない(笑)

GM ふふん、甘いぜ。



ヒューイはカイの目を見詰めて言う。



GM ヒューイ 「彼には見せてもらわないといけませんからねぇ」



これ以上ないほど、真剣に。



GM ヒューイ 「資格を。ミリステア様の前に立つ資格を示してもらわなくてはなりません」



裏表など感じさせぬ表情。



GM ヒューイ 「……というわけですから、全力で邪魔をしてやってください(意地悪そうににっこりと)」

カイ  「……この狸が」

GM ヒューイ「お褒めに預かり、恐悦至極」

カイ  ああ……どうしよう。これは悩むなあ……。

GM ヒューイ「正直な話、この程度を突破できない者にお嬢様は渡せない。本当は私が自ら武器を取れば良いのですが……見ての通り私は文人ですからね」

GM で、君を会場の外。入り口へと導こうとするわけだが。

カイ  こう言われると動くよなあ……「はじめっからそう言えばいいだろうに……」

GM ヒューイ「貴方に、私の代理をお願いします。見極めてください。彼がこの舞台に立つに相応しいかを」

カイ  「いいぜ、やってやろうじゃないか。だからその間、この挙式をちゃんととめておいてくれよ……」

GM ヒューイ「もちろんですとも(にっこり)」



剣士の武器が剣であるように。

情報屋の武器が情報であるように。

彼には彼の武器がある。



GM カイはイブンとはあってないからねぇ。ふふふ……。

カイ  くそう……イベントで走り回ったのが裏目に出たなあ。イブンが帰ってきたこと知らないもんな(がくり)



それは言葉。

巧みな言葉で、彼はカイを誘導する。

カイとイブンが対決せざるを得ないように。



GM ヒューイ「しっかりと、部下に言い含めておきましょう。私自身はこの勝負の見届け役を勤めさせていただきます」

GM と、言いつつ彼自身もいちおー剣と盾を準備するのだった。

カイ  「でもな、あいつを甘く見ない方がいいぞ……絶対やってみせるからな」

GM ヒューイ「そうですね。勝つべくして勝つ、真の英雄とはそういう者ですから……」



そう、どのような手段を用いてでも。

必ず勝つ。

ヒューイの口元には冷たい笑みが浮かんでいた。



カイ  ちなみにヒューイのレベルはどげんなもんなんですか?

GM んー。武器技能で振ってみようか。

カイ  成功度5です。

GM こっちも抵抗〜。この出目だと……ふむん、よく分からないぞ(笑)

カイ  ……それって俺より技能レベル高いんじゃない?(笑)

イブン  ま、16以上かもね

GM あんまし強そうな気はしないが、どうだろうね?

ユトル  違うぞカイ、武器技能にてというのはお前であって、ヒューイの抵抗は恐らく知力。

カイ  なるほど……なら大丈夫かな。でも魔法使うだろうしなあ。

ユトル  魔法は使わないんじゃないかな、多分。エルバルトと同じで知略一筋だと思うよ。



会場、入り口。



GM では、会場入り口にてごたいめーん。



イブンは会場へと到着した。

そこへ立つのは、ヒューイとカイの二人。



GM さあ、見せ場だ。プレイヤーにお任せ(笑)

イブン  「……」入り口前で、急停止。

カイ  「よ、イブン」

イブン  「……うむ。久方ぶりだな、カイ」

GM ヒューイ「我が策をすり抜けた貴方に……最高の駒を準備させていただきました」

イブン  「ふむ……このまま通してもらう、というのは無しか?」

カイ  「ホントは通してやるつもりだったんだけどさ。嬢ちゃんのところに行く前の準備体操だと思いな」

イブン  「そうか……しかし、こうしてカイと向かい合うのは、ずいぶんと久しぶりだな」

カイ  「ああ、はじめて会ったとき以来だな……」



式場は目前。

だが、その前には大きな壁がある。



カイ  「……花嫁かっさらっていくんだろ?だったらその意気込みを……俺にも見せてみろ!」ちゃきーん、と構えます。



その名は『イリスの盾』



カイ  「こいよ、イブン……俺に一撃でもいれてみな」



カイ・サイトニン。



ユトル  <ヴァルトニ>で眺めていよう。「やれやれ、カイめ。ヒューイにほだされたか…」

カイ  ユトル、会場の進行は託しましたぞ……。

ユトル  儂、会場に居ないって(笑)

GM 邪魔者はぜーんぶ、おっぱらったもんね(笑)



時間のない、今。

この壁はあまりにも強力だ。



カイ  「式の進行は一旦止まってるはずだから安心しな」

GM ……(笑)



当然だが、式はそのまま続いている。

先程のヒューイの台詞は、カイとイブンを戦わせるための方便なのだから。



GM ヒューイ「そろそろ、こちらも手詰まりでして……少々無粋ですが、直接的な手段で邪魔をさせていただきます」

イブン  「いや。実にヒューイらしくなくて、少々嬉しいと思っていたところだ。気にするな」

GM ヒューイ「……そうですか?(にっこり)」

GM ヒューイはその様を眺めさせていただこう。じっくりと。……ちなみにユトルはどうする?瞬間移動でもすれば、いくらでーも戻ってくれますから。……逆に言えば、それ以外じゃ間に合いそうにないけどな(笑)

ユトル  「この歳になって走るのはきつい…(休憩中)」



イブンサフ VS カイ




GM では、戦闘開始かな?さあ、熱い展開を頼むぜ!

イブン  「お互い、あれから成長をしたものだな……今では3強に肩を並べるとは、な」抜剣〜。

GM ぶっちゃけ、今のカイとイブンじゃあ、イブンの攻撃は通らんよなぁ?

カイ  防御点が6点あります(えっへん)



1ターン目



カイ  順番的にはイブンの方が行動早かったですよね?

GM そうだね。イブン、カイの順番で。

イブン  幻梟閃を……鎧の継ぎ目なんてあるのか?(笑)

GM ガープス・ルナルにそういうルールはない。強いて言えば、目を狙った刺し攻撃は防御素通しだね(笑)

イブン  んじゃ、普通に、幻梟閃……フェイントの効果は6、普通の命中。

カイ  フェイントは見切りましたよー。防御! 盾で止めようとします……成功。

イブン  「さすが……『イリスの盾』といったところか」

カイ  「こんなんじゃ足りないぞ!」そして、こちらも普通に攻撃でーす。……普通の命中。

イブン  「だが、俺もここで引くわけにはいかんのだ……!」後退、重翼守。4、1、1のクリティカル防御(笑)

カイ  わふーい(笑)



防御技、重翼守。

発動に成功すると受けに修正が付く技。

そして、クリティカル発動だと直後の受けが自動的に成功する技。



第2ターン



イブン  二刀流……両方命中。

カイ  止め、受け……両方成功。



両者共に高い防御成功率をほこる。

この戦い、長引きそうである。

そして、長引けば結婚式は終わってしまう。

ヒューイの目論見どおりに。



イブン  「……っ!」

カイ  「どうした、お前の想いはこんなもんか!?」では普通にアタック成功!



と、思っていたら。



イブン  1、2、1……受けクリティカル(笑)

ユトル  どうなっとるんじゃ、この男は(笑)

GM カイさんファンブル表をどーぞ。

カイ  15。

GM 利き腕をくじいてしまう。30分間、攻撃にも防御にも使えない……。

カイ  「……ぐっ!?」

イブン  「……痛めたか。まだ続けるのか?」油断無く。

カイ  「やるじゃないか……だがまだだ!俺にお前の想いをたたきこんでみろ!!」

イブン  「わかった……やるからには手加減など、しない」



意外に早く決着は付きそうである。



イブン  あ……ヒューイはどうするのか、一応気にしてみたいんだけど(笑)

GM ヒューイ「……参りましたねぇ」

GM まだ、見守っていますよ(笑)



第3ターン



イブン  全力攻撃のダメージ+2で2刀流攻撃。

カイ  イブンの一撃をわざとくらいます。

イブン  え?

GM はーい。ぶん殴っちゃってください。ダメージもきちんと出してねぇ?(笑)

カイ  むー……全力攻撃をちゃんと生き残れるかな。

イブン  では、攻撃が……両方命中。

カイ  「こい、イブン!!」どっしりかまえます。

イブン  7点と8点の切り。

カイ  防護点は6。切りの効果を考えて全部で4点くらったことになるのかな?

イブン  「くっ……呆れるほどに頑丈だな……」

カイ  「まだこんなもんなのか?……と言いたいところだが。その細い腕でよくやったよ」これ以上戦うと死の危険が(笑)

GM むむー。ヒューイとしては盛大な潰し合いを期待してたんだがなぁ。

カイ  「行って来い。それで、嬢ちゃんを奪ってきな」さあ、行くんだイブン!(笑)

イブン  「もちろんだ……この比翼に誓って」羽飾りをいじりながら。

カイ  いかん、忘れてた!ミリアからもらった羽根飾りをイブンに渡そう「こいつを持ってきな。しっかりやるんだぞ」

イブン  「なぜこれを……いや、それは後で聞こう」受け取ってヒューイに向き直る。



かくして、戦闘終了。

勝者はイブンサフ。

だが……。



GM ヒューイ「……参りましたね。もう少し時間を稼げると思ったのですが」扉の前に立ちふさがったまま動かない。

カイ  「こんなもんでいいんじゃねえのか、ヒューイさんよ」ヒューイに話しかけよう。

GM ヒューイ「残念ながら、そうもいかないのですよ」

イブン  「奇遇だな……実は俺もそう思っていた」

GM ヒューイ「この結婚式、邪魔されては困りますからね」



ヒューイ・レオルは。



GM ヒューイ「……指輪交換まで、あと少し。本当に駒が尽きてしまいそうですよ」



このまま引き下がるような男ではない。



GM ヒューイ「サイトニン神官、ご協力ありがとうございました……ここからは、最後の駒を使う事にしましょう」



ヒューイは己の剣を抜く。



GM ヒューイ「イブンサフ・レーベンクイール……私は貴方を認めない」



ヒューイは盾を構える。



GM ヒューイ「私は、誰よりも長くお嬢様とともにありました」



その姿は、日頃の姿からはひどくかけ離れている。



GM ヒューイ「アレイオス閣下よりも、身近にあったと自負しております」



完成された、戦士の姿。



GM ヒューイ「ずっと、そうずっと……あの方の我侭をかなえてきたのは、私なのですよ」



剣など振るえない。

そう言っていたはずの彼。



GM ヒューイ「今回も、お嬢様の我侭を、イリスを守りたいという願いをかなえる為に……」



誰もが彼をただの商人として認識している。

その彼の切り札。

それが、剣の技。

まさに曲者。



GM ヒューイ「貴方を通しはしない、貴方が行けば、私の大切なお嬢様は……壊れてしまうのだから」

イブン  「言いたいことはそれだけか?」

GM ヒューイ「ええ」

イブン  「……では、俺からも言わせて貰おう」

GM ヒューイ「なんなりと」

イブン  「気取るな、曲者! 駒だと? あれの兄は駒だと?! ふざけるな!!」

GM ヒューイ「……?」

イブン  「願いを聞くだけの駒ではなく、激するほど愛した兄として俺を止めて見せろ」

GM ヒューイ「くくく……ははは、はーはっはっはっは!」



ヒューイの雰囲気が変わる。



GM ヒューイ「面白い事を言う……良いだろう!ここからは、俺自身の全てをかけて挑もう。ミリステア・イリスの従者ではなく、兄として!!」

イブン  「くく……良い顔になった。 あの、仮面のような笑い顔は、好かん」



穏やかで繊細なそれから、どこか荒っぽいそれへと。



GM ヒューイ「アレイオスが直弟子、ヒューイ・レオル……参る」

イブン  「流派などいらん……イブンサフ・レーベンクイール、受けて通る!」

カイ  「ヒューイ、俺はもう自由にさせてもらうぜ。この挙式……崩させてもらう!」

GM ヒューイ「ふっ、来るが良い……英雄。貴様を繋ぎ止めれるなど、端から思ってはいない」



3人 VS ヒューイ




仕切りなおして、新たに戦闘開始。

行動順はイブン→カイ→ヒューイ。



第1ターン



カイ  ……俺武器使えないんですけどー!?

ユトル  いやいや、カイのカバーリングがあれば全然違うぞ。

イブン  では、二刀流で攻撃!

GM ヒューイは、その攻撃を……受けて、止めた。では、カイの順。

カイ  うーん……とりあえず体当たりしてみよう。突撃ー!!

イブン  じゃあ、カイをとめよう「手出しは無用だ!」(笑)

GM 避けよう……よけた!

カイ  おりょーん……。

GM ヒューイ「……俺には剣の才など、一欠けらもなかった。……だが、俺には俺の武器がある」

GM 盾が、異様な輝きを放っているよ。同じく、剣も輝いている。



彼が持つ武具はどれも最高の魔力を宿した一品。

財力もまた、彼が手にした力の一つ。



GM ではヒューイが切りかかる。

カイ  イブンに切りかかるんですよね?

GM うむ。出目が5でクリティカール!

ユトル  げ……。

GM 効果は……生命力判定を要求、失敗すると朦朧とする。それに加えて、10点の切り……最大ダメージじゃん(笑)

カイ  カバーします!俺なら修正込みで6点のダメージで、あと2点残るから大丈夫!

イブン  悔しいが、ここで倒れるわけにはいかないし……許せ、カイ。

GM ヒューイ「……鈍い剣だろう?」



ヒューの剣にそれ程の鋭さはない。

過去に見た相手、ジュダ、ガッシュ、シャザック……彼らの持つような、天性の閃きはない。



GM ヒューイ「……俺に才はなかった。だが、それでも俺は強くならねばならなかった」

イブン  「……だからどうした? 才があろうが、努力を積もうが、振るう場所を自分で決めらる者が最後まで立っていられるのだ」

GM ヒューイ「その通り。故に最後まで立つのは、この俺だ!」

GM ヒューイの敏捷度はたったの10。だが、その剣術技能は16。

カイ  げふ、やっかいなやつじゃ……。



鈍い刃。

だが才なき者が時を重ねる事で得た刃。



カイ  「させるかぁ!!」イブンとヒューイの間に入ってダメージをもらいます。

イブン  「なっ……」



それは、とても重い一撃だった。



GM ……カイは身をもって味わってくれ(笑)

カイ  「効かないなあ……そんな軽い想いじゃ俺には届かんぞ!」

イブン 「……俺も、やすやすとは倒れられん」



第2ターン



ユトルがこの場に到着する。



ユトル  「やれやれ…(ぜぇはぁ)…年寄りは労われと言うのに…(壁に手を着きつきようよう)」

GM さあ、がんがん進めよう。

イブン  今度は幻梟閃ー!

カイ  全力防御!カバーリングに徹しよう。

ユトル  儂は血を吐いてカイの《大治癒》に集中。



行動順はイブン→カイ→ユトル=ヒューイ。



GM サイコロを振って振って振りまくれー。

イブン  フェイントは8成功。

GM 見切った。

イブン  命中は……1、1、3だ!

GM ……クリティカル入ってるよ。効果は?

イブン  通常ダメージ。8点の切り。

GM 痛いなぁ。でも、転倒せず。

ユトル  いかんな……これは下手をすると殺してしまいかねん(汗)

GM さて、カイの行動ですが。

カイ  全力防御であります。

GM ヒューイは新たな武器を出す〜。

カイ  なんだそのびっくりどっきり武器は!?(笑)

GM ヒューイ「俺の全て、俺が築いてきた全て……これもその一端だ。使わせてもらうぞ」



彼が取り出すのは、二つの踊る武器。

『愛を忘れた聖者』と『加虐を好む執行者』

ガロードが身に着けていた護身具である。



GM ヒューイ「いけ、聖者と執行者」

イブン  凶悪だなぁ……。



この二つはただの踊る武器ではない。

それぞれが特殊な力を秘めている。

『愛を忘れた聖者』は魔法での回復を無効化(自然治癒のみ有効)する力を。

『加虐を好む執行者』はダメージによる衝撃(敏捷力や知力の低下)を倍加させる力を。



GM 踊る武器が二つ。狙いは両方イブンサフ。で、当然命中。

カイ  両方カバー!!……うおー、防いだぞー!!

GM ヒューイ「くっ……」

カイ  「そうそう簡単に手出しはさせんよ!」

イブン  「さっきの言葉に補足をしよう。俺は、倒れさせてもらえないのだ……俺を支えてくれる者達に因って、な」

GM ヒューイ「人の繋がりもまた、力の一端ということか……」

ユトル  「その通り!!(横から現れる)」

GM ヒューイ「ユトル・バイカン……!!」

ユトル  「悪いが契約は破棄ささせてもらう。キャンセル料は……依頼料0ムーナじゃからして、倍の0ムーナで構わんかな?」取り敢えず《大治癒》 発動、カイは8点回復。

カイ  10点に回復〜。

ユトル  「……(黙って唇から垂れた血を拭う)」



第3ターン



イブン  倒すつもりで行ってもいいのかな?(笑)

GM ご自由に。

ユトル  仕方ないな、儂も武器を取り出すか。こやつに魔法は効きそうにないしな。

カイ  殴ってみてもいいけど、やっぱり全力で防御しなくちゃね!

イブン  「……では」カバーは任せた。真梟閃!

GM ……うわぁ!?全力の幻梟きたー!?

イブン  フェイント効果は12、命中していたら4点の切り……低ぅっ!?(笑)

GM フェイントに対する抵抗の成功度10!そして、受けた。

GM ヒューイ「……たいした技だ。だが、それでも俺の積み重ねた時は砕けない」

GM では、武器が乱舞する。対象はイブン。聖者、執行者、本人の順で……つまらんのぅ。3回も振って、全部普通命中か。

イブン  十分だろ?(笑)

カイ  うち自動武器をカバーします。……成功です。

GM 両方止まったね。じゃあ、イブンにはヒューイ本人の攻撃だけがいった。

イブン  よけー……は、無理か。

GM 全力だから、よける事自体無理ですね。7点の切り。

イブン  転倒はしない。

ユトル  儂は《慈悲知らぬ裁定者》を取り出して終わり。

GM ヒューイ「お互いに、後一撃といったところか……」

イブン  「こんな時で悪いが……楽しいな」ちょっと笑って。



第4ターン



カイ  相変わらず全力防御で。

ユトル  むむむ…。

イブン  真梟閃をもういっちょ!

GM 今度も見切るー!さあこい!

イブン  とりゃー!フェイント効果16、通常命中、当たってたらダメージ9の切り!

GM 駄目だ、見切れん。バッキバキに効いている。喰らったー!!

カイ  そろそろたおれろー。

GM 更に転倒。さっきのダメージとあわせてー、生死判定……。

イブン  死ぬなーーー!!!(笑)

GM まで、あと3点(笑)

ユトル  びっくりした(汗)

GM あせった?(笑)

ユトル  焦るわ!(笑)

カイ  脅かさないでくださいよー!?

イブン  焦るだろ!?普通!(笑)



そして、次のターンの頭にはヒューイが気絶判定に失敗。

戦闘は終了となる。



イブン 「……今回は、立っていられたな」納剣。

GM ……駄目だった。もうちょっと粘れよ、畜生め。ヒューイは膝立ちの姿勢になったものの、そのまま崩れ落ちる。

ユトル  「ヒューイ殿、ミリステアさんも立派な兄を持って幸せでしょう…」

カイ  「ヒューイ、イブンはお前の想いを乗り越えたぞ……」

GM ヒューイはその言葉には答えない。意識を失い、倒れたままだ。だが、少しだけ満足そうな表情をしているのは、気のせいか……?

イブン  「事後の楽しみが増えた……(二人を振り返って)では、最後の舞台へいくとしようか」

カイ  「さあ、イブン!早く行って来い。お前しか出来ないんだぞ!」

ユトル  「イブンサフ、その前に怪我くらい治していけ」何点受けてたっけ?

イブン  7点食らってる。

GM 死ぬ、一歩手前まで殴りあいやがって……てか、部位狙いとかして無力化するだろ、普通(笑)

イブン  手加減できる相手じゃなかったと思ったんだよ(笑)

ユトル  では一先ずコスト0の《小治癒》で(せこい)。次に血を吐きながら《大治癒》。 ……やや危なげながら成功した。「これで万全、行けイブンサフ!(肩を押す)」

イブン  「助かる」ではダッシュ!



かくして、物語は最後の舞台へと場所を移す。



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