魔術師の重奏曲(ユーヴァリフ・カルテット)
〜剣戟は未だ鳴り止まず〜
第2楽章






GM  君達は聖鎧アレフ・ヌルの眠る遺跡へと挑み、最深部まであと少しといったところまでたどり着いた。 けれど、目的地に辿りつく為には最後の障害を突破しなくてはならない。



最後の障害……それは、ザノス王国各地で暗躍し、クーデターを計画したザノス情報部の長。

赤い仮面で素顔を隠し、片刃で反り身の長剣を携えた男。

その名をシャザック・ベルゼリオン。



GM  シャザック「我が剣……貴様らごときに止められると思うなよ」

GM  と言うわけで、早速戦闘開始だ。なお、この際なのでばらしてしまうが……31ターン目に、奥の方で眠ってるものが動き始めます。動く前にたどり着きたいならば、シャザックなんぞに時間はかけていられませんので、要注意、と。

カイ  げ、全然余裕がない・・・。

ユトル  無理、間に合わない(笑)

イブン  「時間が惜しい・・・高説は終わってからにして貰うぞ」



猶予は残り3ターン。

戦闘開始である。

まずは位置決め。



GM  こちらの行動は隣接しているものに対して通常攻撃を仕掛ける、だ。隣接、非隣接はご自由に選択ください。

ユトル  取り敢えずイザベラに維持している《間抜け》を解除する。1LVが生死を分けそうじゃ。

カイ  くそう、時間がなさすぎる。パワーアップする時間も惜しいので最初から隣接しておきます。

イブン  こちらも隣接。

ユトル  儂は勿論距離を取っている(3ヘクス)。足元にはサヤを寝かせておこう。



そして、行動宣言。



イブン  いきなりカイ任せの、比翼幻舞!

カイ  なら、俺はもう全力攻撃しかない。

ユトル  きたか奥義が。 一先ずベルゼリオンに《間抜け》。あ、そうだ。懐から《慈悲知らぬ裁定者》を投げるね。

GM  お、そうだった。こちらも魔法を一つ瞬間で発動させるぞ。

ユトル  絶対倍速だ…絶対倍速だ… (ぶつぶつ)



行動順は、シャザック、イブン、カイ、ユトル。



GM  ではシャザックが……イブンに近付いて攻撃をかける。ちなみに、彼が手にしている武器なのだが……以前勝負をした時と違っている。

イブン  え?

カイ  ど、どういうこっちゃ・・・。

ユトル  仕様がない。マジックアイテムの1つや2つ持っておろう。

GM  片刃の長剣ではあるが……カルシファードブレードではない。分類的にはブロードソードになるものだ。 ユトルには魔力がバリバリと感じられることだろう。魔力の強さは、カイの斧に匹敵するくらいかな?

GM  シャザック「……試し切りと行こうか」(コロコロ、出目は7)おしいっ! あと少しでクリティカルだったんだけどなぁ。

ユトル  惜しくねー(汗)

カイ  お、おそろしい値を(汗)

イブン  それは、こう、ずいぶんと古めかしいいけれど、全然経年劣化した様子はなくて、強いて言えば、悪魔戦争時代のものといっても差し支えないくらい強力そうなもの?

GM  あ、カイは覚えてるかもね。デザインが資料で見かけた剣とそっくり。ユヴァル・ブレードって奴だ

イブン  安全に、後退受け!(コロコロ)ギリ成功「・・・それは、三鍵の最後のひとつか・・・」

GM  シャザック「しかり」 では次、イブンの行動。フェイント勝負、といこうじゃないか。

イブン  「・・・わが奥義、しかと見届けろ・・・!」13成功・・・う〜む、ちと辛いか

GM  9成功か〜。4つもきてるか〜。

GM  シャザック「この技は……貴様の技はすべて見たはずっ!?」フェイントを喰らいました。で、このフェイントの効果が、次のカイの攻撃へと適応される。

カイ  では2回攻撃だ。うまく行けばくらってくれるはず。



敵の攻撃を自分にひきつけ、かつ、フェイントの効果を相棒の攻撃に与える。

それが、幻の極み……比翼幻舞。



カイ  「こっちが本命だ・・・くらえぇっ!」

GM  シャザック「……くっ、この程度で……終われるものかぁっ!」

ユトル  よしっ! (GMの出目を見て)

GM  うげっ!?いきなり喰らったー!

カイ  問題はダメージが行くかどうかか・・・ (コロコロ) のー!?6点の切り。

GM  よっし、その程度なら大丈夫だ。転倒判定もしない(笑)

カイ  「なんの・・・もひとつ!」

GM  シャザック「その程度の一撃……今までにも幾度と無く耐えてきた」今度は踏みとどまる。

カイ  がー、ダイス運悪いっちゅーのっ!?

ユトル  「ゆけ、あの男を裁くのじゃ」《慈悲知らぬ裁定者》の攻撃。(コロコロ)……あれ、クリティカル?(笑)

カイ  そんなまさか(笑)

イブン  ぉーぃ、奥義出した俺の立場はー?(爆)

GM  うっぎゃー!?

ユトル  クリティカルの効果は生命力判定に失敗すると朦朧。

GM  シャザック「……隠し武器とはやってくれる、が、次は無い(ユトルを眺めつつ)」(コロコロ、3)クリティカルで朦朧としない。あっはっは、何なんだ、このダイス目(笑)

カイ  あ、ありえないダイス運だ・・・。



続いて魔法の発動タイミングだが、ユトルの《間抜け》は不発に終わる。



GM  シャザック「我が意思、鋼の如し……魔法など効かぬわ」(コロコロ、出目は6)

ユトル 「ぐっ、自ら鋼というだけある」 っていうかクリティカルだろそれ(泣)

GM  なんなんだ、このクリティカルの応酬は(爆)

カイ  お、おかしいよ・・・。



そして、まだ第1ターンは終わらない。

シャザックが瞬間発動した魔法は《倍速》だったのである。



GM  じゃ、カイに全力攻撃。 技能値+4で、コンビネーションアタック。まずは、技能値で即決勝負を行います。勝負に勝てば、攻撃は一回だけで済むけれど、負けると三回攻撃されます。

カイ  ・・・のー!?

GM  では、勝負……11成功、と。

カイ  4成功だぜ!(涙)

GM  では、三連続攻撃がカイを狙います。一撃目、喉。二撃目、心臓。 三撃目、脳(コロコロ)

イブン  まてまてまてー!?

カイ  それクリティカル・・・。

GM  ちなみに喉への切り攻撃は2倍ダメージ、一撃で生命力を超えるダメージだと生死判定が発生する。心臓(身体重要器官)への攻撃は3倍ダメージ、脳への攻撃は頭蓋骨による防御点ボーナス(2点)があるけれど4倍ダメージだ。

ユトル  死んだ…(汗)

GM  (流石にこれは不味いな。折角助かったけれど……ここは彼女に動いてもらうか)



先程から、鬼のような数字が飛び交っています。

GMの出目は6とか7とかばっかし。



GM  シャザック「奥義、三頭竜……貴様に見切れるか?」流れるような連続攻撃が君を襲う。

カイ  なんかあれだなー。もう・・・笑うしかない?

GM  凄まじい連撃……一撃目が喉に食い込み、二撃目が君の心臓を貫く。



完成された、美しさすら感じる一撃……。

その一撃が。



GM  シャザック「な……に?」



シャザックと、君の間に割り込んだ影に突き刺さる。



イブン  ・・・それはそれで、のおおおおおぉぉぉう!

カイ  ぬううぉぉぉぉ!?

ユトル  「サヤ…!」



刃は、正確に、彼女の心臓を貫いていた。



GM  サヤ「……あ……や……すべ…」割り込んだのは、気を失っていたはずの、サヤだ。 彼女の唇から、言葉が漏れる……けれど、それはもはや言葉にはならない。

イブン  「・・っち!」駆け寄って、抱きとめよう

カイ  「・・・」呆然とする。



サヤの体から、ずるり、と刃が抜ける。

そして、彼女はその場に崩れ落ち、動かなくなった。



カイ  「なんでだ・・・なんで俺を助けた・・・?」

GM  シャザック「……愚かな、愚かな娘だ。我を裏切るとは……愚かな娘だ」傷口を見れば一目瞭然だが……手の施しようが無いね。

ユトル  「裏切ったのではない…!愚かなのは貴様の方じゃ」

GM  シャザック「後少しだったのだ、それを愚かと言わずして……何と言うっ!」

ユトル  「サヤはお前を正しい方向に導こうとした…それが分からんか。それが真の忠義というもの。いや、愛…」

GM  サヤ「……さ……とめ……」何かを言おうとしているが、言葉にはなりません。

GM  シャザック「愛だと……くだらん、個人の情など……大儀の前にはとるに足らぬっ!」シャザックの声は僅かに震えている、そして、剣の構えにも僅かな乱れがある。だが、今だ剣を引く気配は無い。

イブン  「ユトル、サヤを頼む・・・」渡して立ち上がろう

ユトル  「…うむ」

イブン  「裏切りか。そうかもしれんな、貴様から見れば・・・だが」手についた血糊を目元に化粧しながら近付いていこう。「何故裏切ったと思う?それはそこに信念があったからだ。そしてそれを愚かと言うか・・・笑止。ならば貴様の大儀も愚か」

GM  シャザック「くくくっ……御託はもういい、早く来たらどうだ。時間は……もうないぞ?かかって来い。屍など……とうに踏み飽きたわ」

イブン  「そして、俺もまた愚か。・・・では、この茶番の幕を引こう、道化同士でな」構えようか。



戦闘続行。

残るは2ターン。



GM  やはり、カイに攻撃が飛ぶ、通常命中だ。(コロコロ、7)やはりクリティカル寸前!

カイ  「そう何度も同じように行くと思うなぁ!」

GM  シャザック「そういう台詞は……我が剣を防いでから言うのだな」



シャザックは攻撃を仕掛けるも、不発。

続いてPC側の攻撃。



イブン  奥義、比翼幻舞!クリティカルなダイス目で17成功。

GM  うっぎゃー!!! めちゃめちゃ喰らってる。

ユトル  どうなってんだ今日(汗)

カイ  「さっきのお返しだ・・・しずめえ!」即座に全力攻撃だ。このチャンスをつぶすわけにはいかない!

ユトル  おわー(笑)

カイ  「この分らず屋!」13点の切りっす。

GM  シャザック「ぐはっ!?重い……だが、まだだ、まだ終われぬ……我が背には同胞たちの思いがある」おわっ!? 一気に生命力がマイナスにー。かなり、ふらついています

GM  今の一撃で仮面は砕け散り、シャザックの素顔が晒された。シャザックの頬を、涙が伝っている。

ユトル  「……ベルゼリオン」

カイ  「想いを背負って戦ってるのはアンタだけじゃない・・・俺たちの背にだってたくさんの想いはあるんだ!」

イブン  「・・・道化はな、その面に笑いと哀しみが刻まれているのだ・・・」無表情に言い捨てる。



ユトルの自動武器はファンブルで攻撃失敗。

一巡りしたところで、魔法の発動タイミング。



GM  シャザックはこのターンも呪文を瞬間発動、《閃光》だ。至近距離から抵抗に失敗すれば、盲目状態(あらゆる判定にペナルティー10)だぞ。

カイ  ガヤンの魔法はいやらしいのばっかりだ・・・。当然のように失敗ですたい。

ユトル  いかんな、抵抗できるわけがない。シャザックの位置くらいは目に焼き付けておくか。

イブン  修正がなければ・・・。



PC全員盲目。

なお、先程会話が入ったため《倍速》の持続時間は途切れている。

残る猶予は1ターン。



カイ  この戦い、結構ヤバメですね。

ユトル  物凄くやばいよ〜。

イブン  諦めてたまるか、ってなもんだ。

GM  シャザック「……さらばだ、イリスの英雄たち。我が極技をもって葬ろう」 君達は三人とも目が見えていない……今がちゃーんす、ということで、シャザックは一気にたたみかけようとします。



シャザックの行動は《倍速》を再び瞬間発動させた上で、全力攻撃×2である。

オプションは攻撃回数増加。

彼の場合、コンビネーションが発動すると1回で4度切りつける(コンビネーションが3回、全力の追加で更に1回)ことが可能となる。

《倍速》による追加行動分も含めると、トータル攻撃回数はなんと8回に達する。



GM  シャザック「……極技ヤマタノオロチ。この技を受けて生き延びたものは今だ無い、覚悟しろ」

カイ  ぬー、判定に−10じゃどうしようも・・・。

ユトル  ちょっと考えさせて(汗)

カイ  イブンが奥に走っていくとか。俺がカバーするから。



プレイヤー陣、暫し相談。

結果。



ユトル  どう考えても勝てないんで、《瞬間移動》で跳んでってもいい?

イブン  俺は受けて立つ。

カイ  ガッシュとサヤが身代わりになるのを目の前で見てるから、カイは戦うのをやめないと思う。俺は続行の方向で。

ユトル  命を無駄にするな、儂は最初に受けた刃で敢えて自ら倒れるのを勧める。



喧々諤々。

そこで、GMははたと気が付いた。

重要な判定を忘れていることに。



GM  おお、そうだ。 相談しているところ悪いが、重要なことを忘れていた。

イブン  ん……、あ、気絶判定。

カイ  あ!

ユトル  あぁ、そうか!



シャザックのHPはカイの一撃でマイナスとなっていた。

つまり、気絶する可能性があるのである。



GM (コロコロ)……あ!?

カイ  その出目だと・・・勝利?

GM  シャザックの殺気が膨れ上がる、膨れ上がったところで……突如として消え失せました。

一同  やったー!



かくして戦闘、終了である。



イブン  「・・・またいつか、背負いも気負いもなくして、やりたいものだな・・・」目的地へ向ってダッシュー!

ユトル  さて、急ごう。「すまん。先に行く」取り敢えず《瞬間移動》で跳ぶ。あ、可能なら1ターンかかってでもユヴァルブレードを拾って行くから。

GM  いいの?



残りる猶予は1ターンしかないんですよ?

拾うのに1ターン使っちゃうと……ま、いいか。



ユトル  《瞬間移動》発動成功じゃ。



ユトルは空間を跳躍する。

跳躍した先は広い、広い空間。



GM  貴方は今、広い、広い空間にいる。地下にこれ程のスペースが良く準備できたな、と思うほどに広い。磨き上げられたタイルが敷き詰められた部屋だ。その中央に巨大な魔方陣がある。そしてその魔方陣に突き立てられた巨大な剣。更に、その剣を握り締めて立つゴーレムがある。

ユトル  黙ってその異容を見上げよう。どうすればこれを止められるか…。

GM  さて、本当に1ターンかけて拾ってから、飛んだんだね?

ユトル  そうじゃな。

GM  アレフ「……行動凍結、解除完了」では、君が到着したのは31ターン目だ。君の目の前で……それはゆっくりと動き始めた。剣が、ゆっくりと引き抜かれる。

ユトル  くっ、剣を拾ったのは正解か不正解か…。



剣を拾うのに、1ターン費やしたことが不正解である。

そのまま飛んでいれば間に合ったのになぁ……。



GM  イザベラ「遅かったわね。ユトル・バイカン……」



柱の影から女が現れた。



ユトル  「………お前を相手にしている暇はない」

GM  イザベラ「残念ね……もう遅い、くすくすくす。あれは、今から無軌道に暴れだすわ……搭乗者の命が尽きるまで」

ユトル  「…搭乗者?!」



その傍らで無機質で不穏な言葉が響く。



GM  アレフ「マナ・バッテリー……接続エラー、生体エネルギーを使用。アクティブ・ディスク……読み込みエラー、直接制御モードを使用」

GM  イザベラ「教えてあげるわ。これには二つの起動方式がある」

ユトル  イザベラが喋っている間にミリステアに《精神感応》をかけてみよう。 (コロコロ) ……失敗。

イブン  だああぁぁ(撃沈)

GM  イザベラ「一つはこれ(紫の石)と貴方達が持っている鏡、シャザックの剣を使用する遠隔操作方法。石はエネルギー、鏡は動作制御用の魔道式が刻まれたもの、そして、剣はコントローラ」

ユトル  「…つまりその石をお前からもぎ取れば止められるわけか?」

GM  イザベラ「くすくすくす……もぎ取ったとして、どうやってあれにセットするつもりかしら?それに、すでにもう一方の起動方式で動いているわ」

ユトル  「…もう一つの起動方式?」

GM  イザベラ「もう一つ、内部に高い魔法の素質を持つ術者が搭乗し……直接制御する方法」



実はミリステア、魔法の素質を3レベルで持っている。

そして、本来であれば搭乗者である彼女の意思通りにアレフは動くはずだが……。

実は今、彼女は意識を操作されている。

つまりミリステアを操っている者の望むままにアレフは動くのである。



GM  イザベラ「そうそう、このマナバッテリーが無い場合……アレフは搭乗者の命を、エネルギーとして吸い上げるわ。早くしないと……くすくすくす」

カイ  ぐ、また数ターン以内にけりをつけねばならないのか。

GM  イザベラ「止めるのなら、アレフ自体を破壊するか、エネルギーの供給を阻止すること……もっとも、あの娘の持つエネルギー量など知れているでしょうから、少し待てば自動的にとまるかもね」



言うだけ言って、イザベラは《瞬間移動》で姿を消します。

入れ替わりに、カイとイブンが到着。



カイ  「く、間に合わなかったか・・・?」

イブン  「・・・っく、ユトル!お嬢は!」

ユトル  「(指差し)あの中だ!早く止めなければミリステアの命はない!!」

GM  アレフ「行動……事前登録を確認、実行します。……レーダー展開、確認できる全ての生命体を殲滅します」巨大なゴーレムが君達の方に向き直る。

イブン  「・・・何か手立ては・・・!」辺りを見回すよー。

ユトル  「止まれ!(ユヴァルブレードを掲げて強く念じる)」なんでもやってやる。鏡も出すぞ。

GM  いやー、既に別系統で動き始めちゃってるから、受け付けませんよー?

ユトル  ぐぅうう僅か1ターンで……。



イザベラ『アレフ・ヌル……絶対無限……貴方達に、打ち破れるかしらね?』



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